銀行に勤めるヨーゼフ・Kはある朝目覚めると、侵入してきた男二人にいきなり逮捕される。だが逮捕状もなければ、罪名も分からない。身柄は拘束されず自由にしていていいの…
小説・エッセイ
2011/12/31
横光利一はいわゆる「新感覚派」と呼ばれる作家の一翼です。 「新感覚派」というのは、感覚が「新」なのですな。この意味は、新しく感じるんじゃなくて、新しい形で感じる…
小説・エッセイ
2011/11/23
菊池寛の一般的な作家イメージはヒューマニズムに基づいた大感動ストーリーの人ではないかしら。しかし、漢字を多用したちょっと古めの言葉遣いのスクエアな感じにたぶら…
小説・エッセイ
2011/11/23
「桜の木下には死体が埋まっている」といったのは、坂口安吾だとよく間違われるけれど、梶井基次郎ですね。安吾は「桜の森の満開の下」で、満開の桜はご陽気なようにみん…
小説・エッセイ
2011/11/23
秦健日子による雪平夏見シリーズの3冊目。「アンフェア」シリーズといってもいいだろう。 河原で発見された男の死体には、赤いリボンで括られた殺人請負業の広告チラシが…
小説・エッセイ
2011/10/2
「蛇を踏む」は、たいそう面白い小説なのである。ただし、「笑っていいとも」かなんか見ながら「明星一平ちゃん」をすすったそのまんまの気分でダラダラ読み始めたりする…
小説・エッセイ
2011/9/19
アンソニー・バークリーの「毒入りチョコレート事件」は、推理小説です。そう書かなくとも、まさかこれを恋愛小説だと思う人はいないとは思いますが。このタイトルでめく…
小説・エッセイ
2011/9/18
いまお笑い芸人ていうと、ボケとツッコミに分かれた二人組が主流で、似たようなボケに似たようなツッコミを延々とテレビではくり返して飽きもしないけれど、僕ら少年時代…
小説・エッセイ
2011/9/16
82年制作の映画「ブレードランナー」は、都市論や物語論などに多くの革新的イメージを与えたものだが、人間てのは記憶のことだというまったく新しい人間観も作り出してし…
小説・エッセイ
2011/9/15
聖書物語というのは、ガチ聖書ではなくて、聖書に載ってるいろいろなお話を短く分かりやすく書き改めて一冊にまとめた入門書、ダイジェスト版、まあそういったものですね…
2011/9/6
2011年7月26日、日本SF小説界を代表する作家・小松左京が逝去されました。 東北地方太平洋沖地震発生の年の鬼籍入りは、なにやら暗示めいた偶然の一致を感じさせずにお…
小説・エッセイ
2011/9/5
夢野久作「ドグラマグラ」中井英夫「虚無への供物」そしてこの小栗虫太郎「黒死館殺人事件」は、ミステリーにおける日本三大奇書といわれている。 いわれているだけあって…
マンガ
2011/9/4
怖いくらいに意味のある偶然の一致って知ってますか。ま、チョコボール食べてて2度続けて金のクチバシが出たとか、その程度じゃありませんのよ。神様が導いたんじゃないの…
小説・エッセイ
2011/9/4
わたしは井伏鱒二の作品がたいへん好きで、選集と全集を二度にわたって購入している。エライ散財である。 なぜ二度も買い集めたかというと、一度目が「井伏鱒二自選選集」…
小説・エッセイ
2011/8/31
息子はひきこもりで家庭内暴力、妻は不特定多数の男と不倫をくり返し、自分もとうとうリストラの憂き目に会い、家族はバラバラ。 「死んじゃってもいいかなあ、もう」 そ…
小説・エッセイ
2011/8/26
ちょいと前に「カラマーゾフの兄弟」の猛烈なブームがあって、ドストエフスキーの名前も以前よりは知られるようになったわけですが、「暗い、深刻、長い」の3ポイントが特…
小説・エッセイ
2011/8/14
「ダ・ヴィンチ・コード」でおなじみになった「暗号」「付合」「法則」という意味のコードという言葉。実はこのコードが人の手に芸術作品など意外に、生物の形や、人類史…
2011/8/12
容疑者に犯行の事実を認めさせ自供させることを、警察業界用語で「落とす」とか「落ちる」とかいいますよね。でこれが、ほぼ「落ちて」るんだけど、ある一部をどうしても…
小説・エッセイ
2011/8/11
事実は小説よりもというけれど、たとえば電車の中などでけたたましくけったいな言動に走る人物にぶつかったりすることがよくあるはずだ。 わたしはかつて乗り込んでくるな…
小説・エッセイ
2011/8/10
わたしは「マンガで読破」シリーズのちょっとしたファンである。 よほど覚悟しなければおいそれと取りかかれないような剣呑な大著や、脳みそが蝶結びになりそうにむずかし…
ニーチェ
2011/8/4
かの宮沢賢治のはてしもなく有名な作品「雨ニモマケズ」で、わたしは昔から不思議でならないことがあり、なぜ誰も指摘しないのだろう、それというのも、元気で頑張ろうと…
2011/8/3
怪しげなものが性懲りもなく好きなわたしがもちろん大好きなのはオーパーツである。大きな部品のことではない。「それはそこにあっちゃなるめえ」物体のことである。 たと…
2011/8/3
「神曲」の原タイトルは「La Divina Commedia」で、まあ「神的には、喜劇」みたいな感じでしょうか。 なんで喜劇かというと、14世紀当時高級な文学はラテン語で書かれてい…
ダンテ
2011/7/31
タイトルから直感的に連想する、あの電化製品やらなにやらのマニュアルの、最初んとこに書き並べてある「使用上の注意」には、まったく、噴飯ものである。 本書にも3カ所…
2011/7/27
物書き業界内でも「大菩薩峠」のファンは意外に多い。熱心なファンのひとりに、宮沢賢治がいるのは知る人ぞ知る驚きの事実だ。「大菩薩峠」主人公の机龍之介のために、賢…
マンガ
2011/7/26
とにかく読んでビックリしたんである。世の中にはほんとかよと目を疑うような、珍妙な博物館がゴマンとあるのだ。 「いがらしゆみこ博物館」「長谷川町子美術館」「宝塚市…
2011/7/24
健全で朗らかな少年漫画の王者が「ドラえもん」だとすれば、少し暗くて幻想的な少年漫画のウラ王者は「ゲゲゲの鬼太郎」に違いない。 冥界への旅行があったり、恐ろしい病…
マンガ
2011/7/23
芸能界には幽霊を信じていたり、自分に霊能力があると信じている人が、ほんとにいっぱいいるんである。 芸能界というのはあれです、俳優さんでいえば演技力といいますか、…
2011/7/20
「ゴジラ」で有名な東宝の特撮映画シリーズに「マタンゴ」という異色作がある。ヨットで外海に出た男女数名が遭難し無人島にたどり着く。乏しい食料をやりくりしながら救…
マンガ
2011/7/20
むかあしむかあし日テレのお昼のワイドショーに、「あなたの知らない世界」という心霊コーナーがあって、なんだか知らないが真っ昼間にお化けの話してるけったいな事態に…
小説・エッセイ
2011/7/18
レビュー
「まんまと騙された!」辻堂ゆめの驚愕のミステリー。昼と夜とで見えてくる真実が変わる物語
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レビュー
両想いで婚約したはずなのに…なぜ殺されてしまったのか!? 死亡ルートの謎に迫る、宿敵陛下との溺愛ラブファンタジー!
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「男女同居→恋愛に発展」は必然ではない! 子猫の世話をするための協力同居を描くヒューマンドラマ『ただ大きな猫になりたい』
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「先進国の子どもの幸福度ランキング」日本は下から2番目。10代の子どもたちが抱える葛藤や苦しみや怒りに耳を傾ける
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異能力×学園ファンタジー漫画『群青のストレンジャー』。見た目は人間…中身は狼、天使、人ならざる“亜人”の正体とは
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