ついに発表!おすすめのライトノベルランキング ―ブンガク!【第16回】―

公開日:2013/12/13

 中高生を中心に大人気の「ライトノベル」(通称ラノベ)。最近ではテレビアニメ化などの影響でファン層も拡大しています。そこで、ラノベって言葉は知ってても読んだことがない、という初心者向けに“超”入門コラムをお届け!代表的な作品の紹介や、楽しみ方について、作家や絵師など関係者への取材も織り交ぜながら、ラノベ風の会話劇でお送りします。毎月第1・3火曜に更新予定!

制作協力:代々木アニメーション学院 / 文=カンダ ユウヤ 絵=ましま


【前回までのおさらい】
○【第1回】ブンガク部が廃部ってどういうこと?
○【第2回】帰国子女でラノベ好きな美少女あらわる!
○【第3回】ブンガク部の救世主?顧問をさがせ
○【第4回】ラノベ好きな先生からの挑戦状
○【第5回】『東京レイヴンズ』作者・あざの耕平さんに聞いてみた
○【第6回】ラノベって女の子でも読めるの?
○【第7回】中二病でトラブルメーカーってなんなの?
○【第8回】教えて!大人でも楽しめるキャラクター小説
○【第9回】ラブコメはラノベの王道!?
○【第10回】スピンアウト・スピンオフってどういう意味?
○【第11回】なぜ人気?主人公が人外のライトノベル
○【第12回】6人目の部員は引きこもりですが、何か?
○【第13回】メンバー揃ったし学園祭の出し物を決めよう!
○【第14回】学園生活はいつだってほろ苦い
○【第15回】ブンガク部最大の危機!?

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★ブンガク部の部員名簿はこちら!★

~学園祭当日、ブンガク部~

今川凜子(普)
「さて、ようやく学園祭を迎えられたね」

中島優斗(普)
「そうだね。まあ、この日のためにがんばってきたようなものだからね」

桜井智樹(普)
「……それじゃ、先輩、僕らブンガク部の宣伝に行ってきますね」

中島優斗(笑)
「ああ、気をつけてね。宣伝頼んだよ」

石田健(普)
「ハーイ、任せておいてください!」

桜井智樹(怒)
「て、何で君がそれを言うんだよ!」

石田健(困)
「え、別に俺でも、いいじゃん!」

桜井智樹(普)
「もう、君ってやつは……」

田中先生(普)
「あはは、変わらないね。あの二人は、見ていて飽きないというか、楽しそうだよね」

中島優斗(普)
「あ、先生、ここにいらしたんですか?」

田中先生(困)
「え、いるよ。て、いうか、暇な限りは顔を出すつもりだからさ」

中島優斗(普)
「先生も大変みたいですね、ご苦労様です」

田中先生(笑)
「まあ、今回は僕のほうがみんなにヒヤヒヤさせちゃったしね。今日くらいはしっかりとがんばらないとね」

中島優斗(笑)
「あはは、そこのところはお願いします」

田中先生(普)
「まあね……ん? あ、職員室からの呼び出しだ、ごめんね。とりあえずがんばって~」

中島優斗(普)
「……ふう、やっぱり先生は大変そうだね」

佐藤唯(笑)
「……じゃあ、先輩、私は直斗君と部誌の販売に行ってきますね」

中島優斗(普)
「うん、そうだね。よろしく」

中島直斗(普)
「じゃあ、兄さん、行ってくるね」

中島優斗(笑)
「ああ、気をつけてな」

佐藤唯(笑) 中島直斗(笑)
「は~い!」

今川凜子(普)
「……ずいぶん、ここに慣れてきたみたいだね、直斗君」

中島優斗(笑)
「うん、一時はどうなるかと思ったけどね。まったく今回は直斗のおかげだよ」

今川凜子(笑)
「……ふ~ん、優斗君もお兄さんらしいこと言うんだね、ふふッ」

中島優斗(困)
「え、それは僕がお兄さんらしくないってこと!?」

今川凜子(笑)
「さあ、どうなんだろね~! あ、それよりお客さんが来たよ、迎えよ」

中島優斗(普)
「……ああ、そうだね」

中島優斗(笑) 今川凜子(笑)
「ようこそ、お越しくださいました、どうぞブンガク部へ!」

中島優斗(笑)
「こちらの部誌は僕らブンガク部がお勧めするライトノベル・ベスト3です」

今川凜子(笑)
「私たちブンガク部による学年ごとに選んだ三つの作品をご紹介します」

中島優斗(笑) 今川凜子(笑)
「では作品紹介をご覧ください!」

3年生お勧めライトノベル・ランキング

 

1位 『ゴールデンタイム』(竹宮ゆゆこ/アスキー・メディアワークス)

Fate/Apocrypha

お嬢様オーラ全開! 完璧な人生のシナリオを求めるお嬢様の成長物語

晴れて大学に合格し上京してきた多田万里。初めての一人暮らし、初めての東京、大学入学、デビューの連続中の彼だが入学式当日、面を食らうほどの不意打ちにあう。それは圧倒的なお嬢様オーラにして完璧な人生のシナリオを求める魅力的な女性だった。彼女の名は加賀香子。彼女は薔薇の花束を万里の目の前で友人の柳澤の叩きつけ、追いかけるように同じ大学に入学してきたという。そんな香子から逃れるために柳澤は彼女を避け、周囲から浮きまくる。そんな困った香子を助けることになり、万里の一体どうなってしまうのか?

中島優斗(笑)
「ライトノベルには珍しく大学が舞台の作品。これから社会に出て行く人に向けた内容で、戸惑いながらも前向きに進んでいく姿勢が心惹かれる作品でした!」

今川凜子(笑)
「この作品はライトノベルが初めての人にもお勧めです。これからの自分を見直す、そんな人間らしいテーマが込められている良作です!」

2位 『キノの旅』(時雨沢 恵一/アスキー・メディアワークス)

Fate/Apocrypha

旅人のキノと相棒のエルメスの美しきロード・ファンタジー!

銃の名手で食いしん坊のキノと、喋る二輪車エルメスの旅を描いたロードノベル。様々な国を巡り、その国の独特な制度や技術など別々の価値観を持った国家や国民と関わりがシニカルに描かれる。物語の情景を美しくリリカルに表現したイラストは黒星紅白が担当している。シリーズ累計で770万部を超える大ヒットシリーズで、2003年4月よりテレビアニメが放送され、2005年には映画化もされた。

中島優斗(普)
「さまざまな文化や人々の違いが描かれた味わい深い作品です。独特な世界観はカルチャーショックをうけること間違いなし!」

今川凜子(笑)
「まるで海外旅行をしているような気持ちになれる作品だね!」

 

3位 『氷菓』(米澤穂信/角川書店)

Fate/Apocrypha

古典部の文集「氷菓」に秘められた33年前の謎に迫る青春ミステリー!

省エネ主義な高校一年生、折木奉太郎は廃部寸前の古典部に入部。そこで古典部に入部した不思議な同級生、千反田えると共に古典部の33年前の謎に迫る青春ミステリー。『氷菓』はシリーズ第1弾で、現在までに第5弾までが刊行されている。2012年4月から9月まで放映されたテレビアニメは、制作を『涼宮ハルヒの憂鬱』と同じ京都アニメーションが手がけたことで話題に。“日常系青春本格ミステリー”という新たなジャンルを開拓した。

今川凜子(普)
「日々の中で見落としている小さな謎、それを解き明かしていく推理の面白さ。この作品を読むと人が持つ小さな悩みでさえもそういった謎のように思える作品です!」

中島優斗(笑)
「近頃ミステリーに物足りなさを感じているのならこれはお勧めですね!」

 

2年生お勧めライトノベル・ランキング

 

1位 『BLACK BLOOD BROTHERS』(あざの耕平/富士見書房)

Fate/Apocrypha

吸血鬼と人間、そこに絆はあるのか、吸血鬼の兄弟は互いの存在に何を見る

満月の空。月光を浴びて、疾風のように駆け抜ける赤い影。手には一振りの日本刀を携え、望月ジローは疾走する。弟、コタロウために、己の願いのために。滅び去った吸血鬼が人間と共存できる世界で唯一の場所、特区で吸血鬼の兄弟と人間、葛城ミミコが出会った時、運命は進み始め、黒と赤に彩られた生と死、そしてそれを超越した吸血鬼の物語が今始まる。

桜井智樹(笑)
「性格が正反対な兄弟たちの物語を描く吸血鬼ファンタジー! 独特な雰囲気と独自の吸血鬼を描く内容が新鮮です!」

石田健(普)
「派手でハイスピードなアクション!シリアスとコミカルな部分を併せ持つ内容でどちらをとっても面白く続きが気になるストーリーは魅力的!」

2位 『レンタルマギカ』(三田誠/角川書店)

Fate/Apocrypha

2代目社長は高校生!? 魔法使い、貸します、異種魔法戦闘ファンタジー

臆病で弱気な高校生・伊庭いつきが父の失踪を機に継ぐこととなった魔法使い派遣会社「アストラル」。慣れない社長業に悪戦苦闘するいつきが、個性的な社員たちと共に迫りくる敵と戦う異種魔法戦闘ファンタジー。「ケルト魔術と魔女術」は、ヒロインの穂波・高瀬・アンブラーが使う魔術。現代ではウィッチクラフトと呼ばれ、おまじないや占いもしくは薬草学などにも用いられる。

桜井智樹(普)
「作中に出てくる魔法は歴史に基づいて作られていて勉強にもなって楽しい。そしてなにより個性的なキャラクターたちが魔法使いなのに会社勤めをする不思議な光景がなんとも和ましく思わず笑みがこぼれてしまいます!」

石田健(普)
「少年マンガのような熱いストーリーがたまらない!」

 

3位 『刀語』(西尾維新/講談社)

Fate/Apocrypha

ヒットメーカー西尾維新が挑む新感覚の時代活劇!

戦乱の時代、刀を使わない剣士、虚刀流の七代目当主である鑢七花と奇策士とがめが伝説の刀鍛冶、四季崎記紀の作った十二本の刀、完成形変体刀を求め、日本をめぐる旅に出る。作者は「物語シリーズ」なども手がける超人気作家・西尾維新で、2010年に放送されたアニメが2013年4月よりフジテレビ『ノイタミナ』にて再放送するという異例の展開も。

石田健(普)
「剣士なのに体を使った格闘を駆使して戦う主人公とそれを類まれな奇策によって手助けするヒロイン。変わったコンビによる笑いあり、バトルあり、頭脳戦あり、駆引きありの展開に見惚れること間違いなし!」

桜井智樹(笑)
「ラノベには珍しい時代物の要素が多く詰まった良い作品です!」

 

1年生お勧めライトノベル・ランキング

 

1位 『GOSICK -ゴシック-』(桜庭一樹/角川書店)

Fate/Apocrypha

美少女ヴィクトリカと久城一弥のダークでキュートなミステリー

前世紀初頭、ヨーロッパの小国ソヴュール。聖マルグリット学園の図書館塔で奇妙な美少女・ヴィクトリカは極東の島国から留学した久城一弥と出会い。学園の難事件を共に次々解決してゆく。そしてある日ヴィクトリカと一弥は豪華客船に招待され、そこで彼らは事件に巻き込まれていく。

中島直斗(普)
「推理小説で面白いものがないかなと探していたところ、この本と出会ってビックリしたね。まるでこれはシャーロック・ホームズの少年探偵版ですね!」

佐藤唯(笑)
「探偵ものにジュブナイルな感じを乗せて書かれていて若い人にお勧めです。探偵役の少女、ヴィクトリカと助手的立ち位置の久城一弥の二人の関係も面白い!」

2位 『デュラララ!!』(成田良悟/アスキー・メディアワークス)

Fate/Apocrypha

東京・池袋。首なしライダーの出現で巻き起こる非日常の数々

舞台は池袋。都会の暮らしに憧れる少年、竜ヶ峰帝人は幼馴染の紀田正臣に誘われて来良学園に入学する。そこで都市伝説と噂される、首なしライダーを目撃。それから帝人は数々の思いもしない非日常に巻き込まれてゆく――。2010年にアニメ化され大人気となった都市伝説系群像劇。

中島直斗(普)
「複数の魅力的な主人公達が活躍する群像劇。首なしライダー・セルティをはじめ街に住まう様々な人々が池袋を舞台に日常と非日常を繰り返し、一人ひとりが己の人生観で生きていく所がとても考えさせられる作品です!」

佐藤唯(笑)
「これを読んだら一度は池袋に訪れてみたくなること間違いなし!」

 

3位 『神様のメモ帳』(杉井光/アスキー・メディアワークス)

Fate/Apocrypha

探偵アリスとそれを取り巻くニート達の切ない青春を描くミステリな物語

都心、周辺の街や高校などを舞台に、普通の高校生である主人公・藤島鳴海と、雇い主である探偵アリスとその仲間たちが謎を解き明かす現代ミステリー。イラスト担当はラノベ界きっての人気イラストレーター岸田メル。“ニート探偵”というトンデモ設定でありながら、ギャグとシリアスのバランスがよく、練り込まれた世界観が読者から高く評価されている。2011年7月にテレビアニメが放送された。

佐藤唯(笑)
「シリアスなストーリーとジョークの効いた内容に魅力を感じました。都市に集まったニート達が見せる和解とすれ違いなどの人間関係もとても良く描かれていて、探偵とニートという意外な組み合わせもギャップがあって面白いです」

中島直斗(普)
「まるでテレビドラマを見ているかのような楽しさがこの作品の魅力でもありますね!」

 

次回予告

中島優斗(笑)
「こんにちは中島優斗です!」

今川凜子(笑)
「同じくこんにちは今川凜子です!」

中島優斗(笑)
「いや、学園祭も終わったね!」

今川凜子(笑)
「そうだね、今度パーッと打ち上げでもしようよ!」

中島優斗(笑)
「あ、良いね!」

今川凜子(笑)
「そしてみなさん、学園祭でのブンガク部はいかがでしたか?」

中島優斗(笑)
「楽しんでいただけたのなら、僕たちも幸いです。今日はありがとうございました! では……」

中島優斗(笑) 今川凜子(笑)
「次回の『ブンガク!』もお楽しみに!」