「このBLがやばい!」2015年度版が発表! ナンバーワンBLは?

BL

公開日:2015/1/2

 
 先月発表された「このマンガがすごい! 大賞」。次世代のヒット作が公開され、早速ランキング上位の作品をチェックしたというマンガ好きも多いことだろう。ぼくも1位に選出されたマンガを購入し、これで年末年始の準備は万端といったところ。…と、ここまで書いて大事なことを思い出した! そう、「このBLがやばい! 大賞」も発表されたのだ。いまやBLは腐女子だけが読むものではない。一般読者が読んでもおもしろい作品がゴロゴロしている! ということで、『このBLがやばい! 2015』(NEXT編集部/宙出版)を早速チェックしてみよう。

 

コミック編

第1位:『O.B.』(中村明日美子/茜新社)
第2位:『それでも、やさしい恋をする』(ヨネダコウ/大洋図書)
第3位:『テンカウント』(宝井理人/新書館)
第4位:『年下彼氏の恋愛管理癖』(桜日梯子/竹書房)
第5位:『抱かれたい男1位に脅されています。』(桜日梯子/リブレ出版)

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 コミック編の第1位に選出されたのは、BL好きの間で根強い人気を誇る「同級生」シリーズを手がける中村明日美子氏のシリーズ完結編だ。描かれるのは、シリーズに登場する人気キャラたちの後日談。大学生になり遠距離恋愛になってしまった草壁と佐条など、少し大人になった彼らの恋愛は、読んでいるこちらが恥ずかしくなるほど甘々だ。この作品はおそらく、シリーズを愛してやまない読者への、中村氏からのプレゼントでもあるのだろう。

 また、第2位は、実写映画化もされた泣けるBL『どうしても触れたくない』のスピンオフ作品。前作では脇役だったキャラの恋愛が描かれており、こちらもファン垂涎の一作といえる。

小説編

第1位:「COLD HEART」シリーズ(木原音瀬/リブレ出版)
第2位:『交渉人は休めない』(榎田尤利/大洋図書)
第3位:『nez[ネ] Smell and Memory』(榎田尤利/大洋図書)
第4位:『言ノ葉ノ使い』(砂原糖子/新書館)
第5位:『愛の罠にはまれ!』(樋口美沙緒/白泉社)

 小説編の首位に輝いたのは、アクセサリーブランドの副社長・楠田と、かつて天才子役と呼ばれていた秋沢の恋愛を綴った「COLD」シリーズのスピンオフ作品。売れない舞台役者に成り下がってしまった秋沢の傍若無人な振る舞い。それを受け止める楠田。彼らの関係性が少しずつ変わっていくさまに心を奪われた読者が多く、「読んでいると胸が苦しい。でも好き」という選評が多く寄せられたようだ。

 さらに、同賞の公式ガイドブックでは、萌えジャンルごとに分けたイチオシ作品も紹介されている。「スーツ」や「学園」はまだわかるが、「人外」や「富豪」といったジャンルにまで言及されると、もう別次元…。とはいえ、改めてBL世界の奥深さを知ることができ、新たな境地に辿り着けそうな気もしてくるから不思議だ。

 そして、BLといえば忘れちゃいけないのが、その帯のユニークさ。本書では、BL帯のレビューをしているサイト「カフェオレ・ライター」管理人・マルコ氏が、秀逸な帯に爆笑レビューを寄せている。なかでも目を引いた帯は、「俺のケツ 危機(クライシス)!!!」。字面だけでまさにBL作品だとわかるクオリティの高さには、舌を巻くばかりだ。

 初心者には少々濃ゆいBLワールド。けれど、食わず嫌いはもったいない。ということで、早速同賞をチェックして、その世界を楽しんでみてもらいたい。ぼくも未知の世界へトリップしてきまーす!

文=前田レゴ