ゴールデンウィークにオススメのトラベルBOOKランキング

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更新日:2014/2/24

もうすぐ始まるゴールデンウィーク。大型連休を使って海外や国内に旅行にでかける人も多いだろう。そこで、いま人気の書店、代官山 蔦屋書店の“旅の本”コンシェルジュ・森本剛史さんに“ゴールデンウィークに旅はいかが? おすすめトラベルBOOKランキング”を伺った。

ランキングは下記の通り。

1位 『西江雅之自選紀行集』  西江雅之 JTBパブリッシング 2310円
言語学者、文化人類学者で、現地に溶け込む研究態度から「ハダシの学者」とあだ名される西江雅之の紀行集。東アフリカ、カリブ海域の人々や風土が、清らかな文体で綴られる。

2位 『バリ 観光人類学のレッスン』 山下晋司 東京大学出版会 3360円
「最後の楽園」と世界で名高いバリ島の伝統文化が、20世紀前半に再構築されていった過程を分析。選者の森本さんは「本書によって伝統文化に触れる際の視点が変わる」と語る。

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3位 『マレー蘭印紀行』   金子光晴 中公文庫 680円
森本さんが「元祖バックパッカー」と呼ぶ、詩人・金子光晴による東南アジア放浪記。いまも昔も変わらない現地の空気感が行間にあふれる、東南アジアを旅する人の必読書。

4位 『 「ユリシーズ」の謎を歩く』 結城英雄 集英社 2940円
アイルランドの首都・ダブリンを舞台にした、ジェイムズ・ジョイスの名作『ユリシーズ』の解説本。物語を読み解くため街の様子が詳しく紹介され、ガイドブックとしても重宝。

5位 『海が見えるアジア』   門田 修 めこん 3675円
世界の海洋民族、船などを取材し続ける著者による、アジア全海域の旅の記録。写真や図版も豊富。国ではなく海域を旅するがゆえに、普通の旅人が行かない地域の話題も多い。

6位 『澁澤龍彥のイタリア紀行』 澁澤龍彥、澁澤龍子、小川 熙 新潮社 1575円
1970年代にイタリアを旅した澁澤龍?の足跡がわかる一冊。一般的なガイドブックとは違う“澁澤らしい”遺跡や風景の写真が多数掲載され、ディープなイタリアに出会える。

7位 『PRIVATE WORLD』  下田昌克 山と溪谷社 2310円
街角で作品を描きながら世界を旅する下田昌克の、力強いイラストや言葉を集約。森本さんは「彼のイラストを見ると、かつての旅を思い出す」とコメント。旅人の共感を誘う本。

8位 『死海のほとり』  遠藤周作 新潮文庫 660円
戦中を日本のキリスト教系の大学で過ごした主人公が、エルサレムで聖書を研究する旧友を訪問。複雑な思いが絡み合う遠藤周作の小説。物語を通じて現地の様子や歴史がわかる。

9位 『ああ知らなんだこんな 世界史』 清水義範 毎日新聞社 1470円
人生初のトルコ旅行を機に、ヨーロッパ史以外の世界史を知らなかったことに気付いた作家・清水義範が、次々にイスラムの国へ。多くの日本人が知らなかった「世界史」が語られる。

10位 『何でも見てやろう』   小田 実 講談社文庫 770円
1958年に日本を旅立ち、22カ国をめぐった著者の貧乏旅行記。当時の各国のカルチャーがユーモラスに語られ、森本さんをはじめ、多くの若者が本書の影響でバックパッカーに。

取材・文=澤井 一
(ダ・ヴィンチ5月号 「その道のプロに聞く! ダ・ヴィンチなんでもランキング」より)