反面教師で自己啓発！？ 愛すべきダメダメ主人公本から人生を学ぶ

• 著者名：花沢健吾
• 発売元 : 小学館
• 価格：432円

田西敏行は27歳、ガチャガチャメーカーの営業マン。仕事ダメ、恋愛ダメの主人公だ。想いを寄せる同僚の植村ちはるとの関係はうまくいきそうなのに、ラブホに入ってもコトは成せず、挙句ちはるの前でチンピラに絡まれボコボコに…。もどかしいくらいにダメ。そう、田西から何かを学ぶというよりもそのヘタレっぷりを、つい応援してしまいたくなる。まさに反面教師の真骨頂的な存在。自分では絶対にこうはなりたくないけど。

• 著者名：町田康
• 発売元 : 文藝春秋
• 価格：453円

突然働くのが嫌になり、仕事を辞めたのが3年前。その後、妻にも出て行かれ、楠木の手元に残ったのは金属製の大黒様。自立できない大黒様を、様などいらぬと「大黒」呼ばわり。燃えないゴミか、いや粗大ゴミかと、大黒様を捨てるためにあれこれ行動する。その信心の無さが裏目に出たのか、結局金に困り、古着店のバイトや、似非アーチストのドキュメンタリーのインタビュアーを務めるものの各所で災難に巻き込まれてしまう。

• 著者名：星新一
• 発売元 : 講談社
• 価格：432円

「ものぐさ太郎」の主人公・太郎は父親の遺産でぐうたらな生活を送る独身男。電話で食料を注文し、腹が空いたらそれを食う。ベッドの上からほとんど動かない彼に、ある日「そろそろ預金残高が底をつきそう」という銀行からの連絡がある。ついに！ ベッドの上でビールを片手（！）に、稼ぐ努力をし始めるのだ。それは本当に努力と呼ぶべきものなんだけど…。彼は彼、自分は自分。冷静な視座で読みたい作品だ。「なりそこない王子」所収。

• 著者名：渡辺ペコ
• 発売元 : 講談社
• 価格：540円

岩城晃平には交際9年、同棲5年になる彼女・浅尾温子がいる。30代を目前にしても、結婚の話が出るわけでなく…。もちろん、温子と一緒に生きていきたいと思っているのだが、そんなある日、晃平は先輩の高野ゆう子と浮気。しかもゆう子は妊娠、1人で産むという。晃平はそのことを温子に素直に告白して傷つけた上、ゆう子には中途半端な責任感をもって振舞おうとする。ダメ男に冷たい視線を送りつつ、人生の決断について学ぶべし。

• 著者名：石原たきび
• 発売元 : 新潮社
• 価格：464円

「mixi」内のコミュニティ「酔って記憶をなくします」に寄せられた投稿をまとめたのが本書。「アジフライの取り合いでクライアントと喧嘩、その後の関係修復に数カ月を要した」（34歳男性）、「居酒屋のトイレや、コンビニ前で三点倒立の練習をして血まみれに」（23歳女性）などなど、リアルなお酒の失敗談が目白押しだ。「酒は飲んでも飲まれるな」は、社会人の基本。戒めの書として、続編とともに読んでいただきたい。