本のソムリエ・書店員が選ぶ“いま大注目の作家の絵本”

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/26

毎日膨大な量の本に接し、本の知識なら誰にも負けない“本のソムリエ”としてとっても頼りになる書店員さん。そこで今回は書店員暦4年、蔦屋書店熊本三年坂店で児童書を担当している西田恵美さんに、“いま大注目の作家の絵本”をセレクトしてもらった。

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■『もりのおくのおちゃかいへ』 みやこしあきこ 偕成社
おつかいの途中でキッコちゃんが見つけた不思議な館。そっとのぞいてみると、そこではすてきなお茶会が……。モノトーンで描かれた幻想的な世界へ引き込まれ、心に静かな余韻が残る絵本です。

■『ほげちゃん』 やぎたみこ 偕成社
ほげちゃんは、ゆうちゃんのお気に入りのぬいぐるみ。でも、汚れ放題なのでおでかけの日に置いていかれ、もうカンカン!! ほげちゃんの激怒っぷりにはビックリしますが、ラストの言葉にほっこり。

■『おかめ列車』 いぬんこ 長崎出版
かくれんぼで遊ぶお兄ちゃんを探し、布団をめくったこももちゃん。中から出てきたのは……。表紙が衝撃的で、手に取らずにいられませんでした。子どもの頃のお祭りを思い出し、懐かしい気持ちに。

■『アライバル』 ショーン・タン/著 小林美幸/訳 河出書房新社
セピア色で描かれた文字のない絵本。娘と妻を置いて、旅立とうとする男性の目を通して不思議な物語が綴られています。絵だけで物語が進む、これぞ「絵本」。改めて、絵本の凄さを感じた一冊です。

■『しろねこくろねこ』 きくちちき 学研
いつも一緒のしろねことくろねこ。でも皆からしろねこばかり誉めそやされ、くろねこは自信をなくし……。躍動感あふれる筆致で描かれたねこの動き、その豊かな表情に、思わず見入ってしまう絵本。

ダ・ヴィンチ9月号「本屋さんの時間 本のソムリエ」より)