目指せ神さま!? フツウの女の子のはずが、日本一の神さま学校へ入学して奮闘する! 日向夏×赤瓦もどむ『神さま学校の落ちこぼれ』

マンガ

公開日:2022/6/29

神さま学校の落ちこぼれ
神さま学校の落ちこぼれ』(日向夏:原作、赤瓦もどむ:まんが/白泉社)

「もしも自分に特別な力があったら」。多くの人が一度は考えたことのある、大抵は幻想に終わるそんな思い。でも、もしそれが現実のものとなったら――。『神さま学校の落ちこぼれ』(日向夏:原作、赤瓦もどむ:まんが/白泉社)は、特別な力「神通力」を持って生まれた少年少女たち、そして神さまの物語。

 本作品は、薬師の家系に生まれた毒味役の少女の後宮生活を描いた『薬屋のひとりごと』(しのとうこ:イラスト/主婦の友社)の著者・日向夏さんが原作を、妹と兄の友達とのウブな関係を描いた『兄友』(白泉社)の著者・赤瓦もどむさんがまんがを手掛けている注目作。『薬屋のひとりごと』のコミカライズ版(ガンガンコミックス版)は、2022年6月23日に最新刊も発売される。

 舞台となっているのは、「ヒミコ」「神さま」がいることを除けばごくごく普通の現代日本。「ヒミコ」というのは、いわゆる神通力が使える人間のこと。国が正式に定めた言葉で、この力を持つ者は貴重な才能として国の保護対象となる。そしてヒミコの中でも特に神通力が強く人格が優れている者に与えられるのが、「神さま」という国家資格だ。

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神さま学校の落ちこぼれ

 そうした中で神社に双子の妹として生まれ育った主人公・陽美谷ナギ。だが、ナギは神さまどころかヒミコですらない普通の女の子。神さまだった祖母・天宇受賣命(あめのうずめのみこと)は5年前に亡くなり、ヒミコである兄・たけるは、祖母の死をきっかけに引きこもり中。かつては栄えていた神社も、今やすっかり寂れてしまった。

 しかしある日、ある事件をきっかけに、ナギは知らないうちにヒミコであると認められ、日本一神さまを輩出している神さま学校「私立惟神(かんながら)學園」への編入資格を得る。こうしてナギは、戸惑いながらも神社に活気を取り戻すべく惟神學園へ通うことになったのだが。それにかかわらず、なぜか依然として能力が使えず詳細も不明のままで――。

 高位の神さまに認められたはずが何の能力も使えず、周囲に対して引け目を感じ始めるナギ。そんなナギとは対照的に、クラスメイトの田中モナカは瞬間移動、逢坂サガミは念動力とそれぞれ能力を伸ばしていく。

神さま学校の落ちこぼれ

 しかしそれでも、持ち前の明るさと気力、そして神社の娘として培ってきた(?)知識と体力、運動神経でどうにか乗り切っていく。また、ナギは自身が伸び悩む中でも困っている人を放っておけない性格で、時には神さまですら助ける対象に。こうしたナギの明るさと行動力は、見る者に勇気を与えてくれる。

神さま学校の落ちこぼれ

 一方、たまたまナギに助けられた神さま・月読命(つくよみのみこと)は、「誰かに『助けてもらえた』のって……初めてだ」とナギに興味を示していく。

神さま学校の落ちこぼれ

 月読命は学生時代から圧倒的な神通力の持ち主で、自分が人を助けることはあっても、誰かと協力したり助けられたりしたことがなかったのだ。その後もナギと月読命は、何の因果か度々偶然の出会いを重ねていく。

神さま学校の落ちこぼれ

 先日発売された2巻では、学校でサバイバル演習として実施されたスタンプラリーを通し、ナギの持つ能力の正体へ近づく場面も。しかしそれが正しければナギは――。ナギの持つ能力とはいったい何なのか。ナギは無事神さまになって実家の神社を救うことができるのか。ナギと月読命との関係はどうなっていくのか。『神さま学校の落ちこぼれ』はまだまだ気になること尽くし。今後も展開を見守っていきたい。

文=月乃雫

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