ダ・ヴィンチWeb「学生エッセイコンテスト」結果発表! 特別賞「コロナ禍における僕の進化」

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公開日:2022/7/1

 2022年4月、ダ・ヴィンチWebと、学生のクリエイティブなアイデアを募るプラットフォーム「FLASPO」がコラボレーションし、学生向けエッセイコンテストを開催しました。テーマは『コロナ禍の学生生活』。想像をはるかに上回る多くの応募が寄せられ、しかもそのどれもが力作揃い。編集部全員で目を通し、入賞作品を決定しました。

 惜しくも入賞はならなかったものの、「これはぜひ掲載したい!」とダ・ヴィンチWeb編集部が考えた「特別賞」の作品をご紹介します。

 今回は、ペンネーム玄米さんの、タイトルは「コロナ禍における僕の進化」です。

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モテモテになってやろう。

約1年前、コロナウイルスが流行している世界の中でそう決意した。
コロナウイルスによって突然窮屈になった高校生活を終えた僕はとにかく時間があった。
小さなころから本を読むことが好きだった僕は、午前中に本を読み、午後は友人とオンラインゲーム、夜は眠くなるまで本を読むという、なんとも自堕落な生活を送っていた。
あるときいつも通りゲームをするために友人を誘おうと電話をかけると、
画面には通話中の3文字が。

おや?珍しいな、とは思いつつも気にせずに待っていると
5分後くらいに電話がかかってきた。電話に出ると彼の声は喜びに満ち溢れていた。

「なぁ、何も言わずにおめでとうと言ってくれよ!」
「は?なんで急に?どうした?」
「俺、彼女できた!」

その言葉が聞こえた瞬間に僕は電話を切った。すぐに彼からメッセージが届いた。
内容は、彼女ができたからゲームはできないこと、彼女と付き合うことになった流れ、彼女がいることの素晴らしさ、などなど。思わずスマホを投げてしまった。壊れていなかったのは幸いであった。コロナ禍でカップルが増えているとはいえ、彼に彼女ができたことは悔しかった。そして固く決心した。

異性にモテモテになって、彼よりも可愛い彼女を作ってやろうと。

決心してすぐにモテるために必要な要素を考えた。インターネットや本などで多くの時間をかけて考え抜いた結果、モテるためには3つの要素が重要であるといった結論に至った。それは、清潔感、頼りがい、コミュニケーション能力の3つだった。僕は思った。
(幸いなことに僕にはコミュニケーション能力がある。ファッションや美容に気を使い、
筋肉をつければモテモテになれるじゃないか!)と。

高校を卒業した僕には時間がある。モテたいという明確な目標もある。やってやろうと思った。いや、やらなければならないと思った。それからの毎日は人生の中でかなり充実していた。ランニングをし、朝食を食べ、本を読み、筋トレをし、ファッションを学んだ。快適な睡眠のために時間は減ったが、友人との時間も大切にした。自分に自信がついていくのを感じた。そんな生活が2か月ほど続いたある日、鏡に映った僕を見て驚いた。

2か月前の僕はガリガリで髪も肌も荒れており清潔感が皆無であったが、モテるために努力した僕はいい感じの人間に進化していたのであった。鏡に映った僕は、ジャニーズのように輝いていた。

月日は流れ、現在専門2年生になった。結論から言おう。めっちゃモテた。自分でも驚いている。可愛い彼女もできた。1年前のあの時、モテるために努力を始めた自分を心からほめてやりたい。

コロナ禍で辛いことや我慢したこともあったが自分が成長するきっかけになった。コロナウイルスに感謝はしないし許さないが、もしウイルスが目に見えるくらいの大きさになったら会釈ぐらいはしてやろうと思う。

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 学生エッセイコンテストの入賞&特別賞作品は、以上になります。学生の皆さん、たくさんのご応募ありがとうございました!

FLASPOとは、学生のクリエイティブなアイデアを募るコンテストプラットフォームです。企業・自治体が学生向けのオンラインコンテストを開催し、学生が解決アイデアを考えることで、アイデア収集・PR・採用など幅広い活用が可能です。
HP :https://flaspo.jp/

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