人気の韓国ドラマがもっと楽しめる! 韓国ドラマ好きのための韓国語実践本!

文芸・カルチャー

公開日:2022/6/25

韓国ドラマで楽しくおぼえる! 役立つ韓国語読本
韓国ドラマで楽しくおぼえる! 役立つ韓国語読本』(年森瑛/文藝春秋)

『愛の不時着』や『梨泰院クラス』をはじめとして、近年、ますます韓国ドラマが人気だ。韓国ドラマを観ているうちに、「せっかくなら韓国語にも挑戦してみたい」と思う人も多いのではないだろうか。だが、その道のりは険しく、そもそも、どうやって勉強したらいいのかと考えると途方に暮れてしまう。

 そんな人たちの強い味方になりそうなのが、『韓国ドラマで楽しくおぼえる! 役立つ韓国語読本』(李ハナ、康 熙奉:著/双葉社)。この本には、韓国ドラマを楽しむための韓国語の知識が盛りだくさん。韓国ドラマで頻出するフレーズが紹介されているから、「韓国ドラマを字幕なしでも楽しめるようになりたい」「好きな俳優のセリフやシーンをもっと深く理解したい」という人にピッタリ。「韓国語で韓国ドラマを楽しむ」という目標に最短距離で近づくことができそうな1冊だ。

ドラマのタイトルも最高の教材になる

 本書によれば、ドラマのタイトルは韓国語を学ぶ最高の教材になるという。たとえば、『梨泰院クラス(イテウォン クラス(이태원 클라쓰))』の「クラス」は韓国語の正しい表記(클래스)ではなく、ネットスラングの表記(클라쓰)。韓国では数年前からスポーツ選手の実力や価値を「クラス」と表現することが多く、ネット上では意味がさらに転じて「レベル・地位」の意味合いを強調するスラングとなった。主人公パク・セロイがどん底から這い上がって成功し、梨泰院の街で最高の地位を手にするというヒントが詰まったタイトルなのだ。

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 また、『愛の不時着(サランエ ブルシチャク(사랑의 불시착))』の「不時(ブルシ)」は「思いもよらない、意図しない」という意味で、「キム秘書はいったい、なぜ?(キムビソガ ウェ クロルカ(김비서가 왜 그럴까))」の「왜 그럴까(ウェ クロルカ)」は日本語でいう「どうしたんだろう?」の意味。どちらも韓国人がよく使うフレーズだからおさえておくと、韓国ドラマで出くわす場面も多いだろう。

食事を大事にする韓国ならではの気遣い

また、韓国ドラマを見ていると、食事のシーンの多さに気づかされる。本書によれば、それは、昔から韓国では、ご飯を食べてお腹を満たすことを何よりも大切にしているため。誰かと一緒に食事をすることは安否確認であり、愛情の表れでもあり、韓国語のフレーズでも食事にまつわるものは多いのだそうだ。
韓国ドラマでよく耳にする「ご飯食べた?(パップ モゴッソ(밥 먹었어?))」という常套句は、相手への安否確認はもちろんのこと、挨拶代わりにも使われるし、映画『殺人の追憶』の名ゼリフとしても有名な「ちゃんとご飯食べている?(パブン モッコ タニニャ?(밥은 먹고 다니냐?))」は、相手がお腹をすかせていないか心配するフレーズ。食事にまつわる表現をおさえておくと、ドラマの中の韓国語を聞き取れる可能性もアップするに違いない。

 その他にもこの本では、韓国ドラマに頻出の表現・フレーズが解説を交えて紹介されている。「聞いたことがある」という表現・フレーズも多く、気づけば、楽しく韓国語の学習ができてしまう。あなたもこの本をもとに韓国語を学んで、韓国ドラマをもっともっと楽しんでみては。

文=アサトーミナミ

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