昭和のウルトラマンシリーズで育った世代から、映画『シン・ウルトラマン』でハマった人まで!決定版“大怪獣図鑑”があらたに登場!

エンタメ

公開日:2022/6/25

ウルトラマン大怪獣図鑑
ウルトラマン大怪獣図鑑』(円谷プロダクション:監修/双葉社)

“ヒーロー”としてのウルトラマンが初登場した1966~67年放送の『ウルトラマン』は、半世紀以上経った今も高い人気を誇る。その“初代”で登場した怪獣を一冊にまとめた『ウルトラマン大怪獣図鑑』(円谷プロダクション:監修/双葉社)が発売された。これは復刻版や合本ではない。今回新たに編集し直された新刊本だ。

 本書は第1話「ウルトラ作戦第一号」に登場した宇宙怪獣ベムラーから、最終回「さらばウルトラマン」の宇宙怪獣ゼットンまで、『ウルトラマン』全39話に登場した怪獣や宇宙人と、主役のウルトラマンやゾフィー、そして科学特捜隊(フジ・アキコ隊員が巨大化した姿も収められている)まで網羅した、B5判フルカラー、170ページ超という大ボリュームの“怪獣図鑑”だ。

 本書最大の特徴は、怪獣が実在するものとして作られていることだ。

advertisement

 本書は、ウルトラマンと戦った怪獣や宇宙人の全体像、体の各部詳細、生態、バックボーン、足形などが、大量の写真とともに事細かに記述され、さらに攻撃力、防御力、特殊能力、知能、パワー、スピードを10段階で評価するなど、純粋に「生息している生物としてのプロフィール」を紹介、また戦闘に関しての解説「ウルトラマンとの攻防」も付記されている(怪獣の解説文はウルトラ怪獣に造詣が深い、作家でUMA研究家の中沢健氏が監修している)。

 もちろん、新たな姿となって『シン・ウルトラマン』にも登場したウルトラマン、ネロンガ(第3話「科特隊出撃せよ」)、ガボラ(第9話「電光石火作戦」)、ザラブ星人(第18話「遊星から来た兄弟」)、メフィラス星人(第33話「禁じられた言葉」)のもともとの設定等についても、詳細な解説が掲載されている(映画には他にも“禍威獣”などが登場するが、未見の方がいらっしゃることを考慮して情報解禁されているものだけを列記した)ので、映画を見て興味を持った方にもオリジナルの凄さを知ってもらえる内容となっている。

 子どもの頃にアニメや特撮ヒーローなどの秘密が詰まった「◯◯大百科」を買ってもらい、大興奮で隅から隅まで舐め尽くすように読み、どのページのどこら辺にどんな写真や解説があったのかまで脳の深いところへ刻み込むように記憶された方は、今でも怪獣の写真を見ただけで「これは××だよね」と名前や特徴がスラスラと出てくるものだが、本書も脳に刻み込まれるレベルの緻密さと圧倒的な情報量がある。また本書は大人向けの内容ではあるが、すべての漢字に振りがながふってあるので、小さなお子さんでも楽しめる(逆に子どもは大人向けのしっかりした内容の本を読みたがるものでもある)。

 原点となった昭和のウルトラマンシリーズで育った世代、平成のウルトラシリーズを見てきた方、令和の時代に蘇った映画『シン・ウルトラマン』でハマった方まで、「備えあれば憂いなし――私の好きな言葉です」(By 外星人0号メフィラス)な、三世代必携の怪獣図鑑である。

文=成田全(ナリタタモツ)

あわせて読みたい