「にっこり に~」は親子が笑顔になる魔法の言葉! 1~2歳の赤ちゃん・子どもの自己肯定感を育むコミュニケーション絵本を体験レポート

文芸・カルチャー

公開日:2022/8/4

にっこり に~
にっこり に~』(にへいたもつ:作、わたなべさとこ:絵/KADOKAWA)

 まだ言葉を話せない赤ちゃんとのコミュニケーションに悩むことって、ありますよね。赤ちゃんへの声がけがよいと分かっていても、何を話したらいいのか迷ってしまう。絵本を読み聞かせても反応が薄く、すぐに飽きて別のおもちゃで遊び始めてしまうことも。絵本を通じて自然にコミュニケーションが取れる『にっこり に~』(にへいたもつ:作、わたなべさとこ:絵/KADOKAWA)はそんなママやパパにおすすめの1冊です。

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何度も出てくるフレーズに、子どもたちが夢中

にっこり に~

にっこり に~

にっこり に~

 元気がないイヌの赤ちゃん。ママがやってきて、お顔をくっつけて「にっこり に~」と笑いかけると、イヌの赤ちゃんが笑顔になります。

にっこり に~

 おもちゃを片付けるのがイヤで、泣いてしまった赤ちゃんも、「だいじょうぶ だいじょうぶ ママは にっこり」と優しく笑いかけると、泣き止んでにっこり。元気がない動物の赤ちゃんも、イヤイヤ泣いている人間の赤ちゃんも、ママやパパが「おかおと おかお にっこり に~」と顔をくっつけながら笑いかけると、笑顔になっていきます。

にっこり に~

 抱きしめたくなるような、かわいらしい動物たちも魅力のひとつです。筆者の10カ月の娘は、ページをめくるたびにぺたぺたと動物の顔を触り、優しいタッチで描かれたゾウさん、パンダちゃん、ワンちゃんに興味津々の様子。ほっぺたとほっぺたを触れ合わせるシーンでは、絵本に出てくる動きをマネするだけで、自然にふれあい遊びができました。娘に読み聞かせをしていたら、3歳の息子も気になる様子でやってきたので、息子にも頬をくっつけて「にっこり」。すると、ケラケラと大笑いをして、それを見ていた娘もつられて笑ってくれました。お兄ちゃんは「もう1回! もう1回!」と何度もおねだりするほど夢中に。兄妹そろって楽しめました。

 何度も出てくる「にっこり に~」のフレーズは、繰り返しが大好きな赤ちゃんも大喜びです。筆者の子どもたちも、次第に自分から頬を近づけてくれるようになりました。さらに、絵本を開いていない時にも「にっこり に~」と言うと、にこにこしながら近づいてきてくれるようになったので、いつでもどこでもスキンシップ遊びができそうです。

困った時こそ、笑顔で「にっこり に~」

 100人の保育士さんから「『にっこり に~』くり返し声をかけると、泣いている子も自然に『に~』と笑えるフレーズ」「育児に悩んで、疲れたお母さん・お父さんにもおすすめしたい」などと、数多くの推薦コメントが寄せられているという本書。絵本の中でも、イヤイヤと泣き出してしまった赤ちゃんにお母さんが笑いかけ、その笑顔につられて赤ちゃんの涙が止まる場面があります。子育てで余裕がない時に笑顔でいることは難しいですが、困った時や悲しい時こそ「にっこり に~」と唱えることで、一呼吸おいて笑顔で対応できそうです。

 このシーンは息子も印象的だったようで、「もし、妹ちゃんがえんえん泣いたら? どうする?」「にっこり(してあげたらいい)かな…?」と考えている様子。周りの人が悲しい気持ちになった場合を想像して、どう接すればいいかを親子で話すきっかけにもなりました。

 本書の作者で、葛飾区青戸保育園の園長を務めるにへいたもつさんは、本書の帯文に下のようにコメントを寄せています。

大人の笑顔が、赤ちゃんや子どもに安心感を与え、愛情を感じさせます。それは愛着を形成し、絆を深め、生まれてきてよかったと自己肯定感を育みます。

 子どもの自己肯定感を高めてあげることはとても大切なこと。特に幼少期に愛情をたくさん感じ取った子どもは、自分自身や他者を大切に思う気持ちが育つと言われています。読むだけで笑顔が溢れるこの絵本は、子どもの自己肯定感を高めてくれそうです。我が家も「にっこり に~」の言葉で笑い合い、親子の絆がより一層深まりました。

文=鈴木まる

ゾウさんやパンダちゃんの「にっこり に~」も公開中!
『にっこり に~』特集ページ

https://yomeruba.com/news/entry-13145.html(ヨメルバ)

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