するとしないとでは大違い! 40代以降の女性が「更年期」をラクに過ごすための「閉経マネジメント」とは

健康・美容

公開日:2022/8/16

40代から始めよう! 閉経マネジメント 更年期をラクに乗り切る、体と心のコントロール術
40代から始めよう! 閉経マネジメント 更年期をラクに乗り切る、体と心のコントロール術』(吉形玲美/講談社)

 40代に突入すると、「更年期」というワードが気になってくる。周囲の人から苦しかった体験談を聞き、自分にはどんな症状が現れるのだろう…と不安に思っている人も多いのではないだろうか。

 そんな不安を解消するために役立つのが、『40代から始めよう! 閉経マネジメント 更年期をラクに乗り切る、体と心のコントロール術』(吉形玲美/講談社)。著者は医学博士で、産婦人科専門医。日本更年期と加齢のヘルスケア学会の理事も務めている。

 更年期を楽に過ごす方法が学べる書籍は他にも多くあるが、本書は女性ホルモンの分泌量が減少することにより、強度が下がり始める骨の健康管理にも目を向けた、斬新な体のマネジメント本。

 著者は女性のライフステージを3段階に分け、更年期症状と骨粗しょう症の不安を解決する「閉経マネジメント」をイラスト付きでわかりやすく解説している。

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女性ホルモンをコントロールし、骨の強さを維持する「閉経マネジメント」

40代から始めよう! 閉経マネジメント 更年期をラクに乗り切る、体と心のコントロール術 p.38~39

 著者の「閉経マネジメント」の2本柱は、ゆらぎ始めた女性ホルモンをコントロールすることと、女性ホルモンの減少により影響を受ける骨の強さをマネジメントすること。それぞれの対策は、いつ、何をするかがとても重要になってくるという。

 著者は閉経前の「プレ更年期」、閉経後5年未満の「更年期」、閉経後5年以降の「ポスト更年期」に行いたいマネジメント法を具体的に紹介。例えば、閉経前の「プレ更年期」にはまず、婦人科のクリニックや健康診断施設などでホルモン検査を受け、閉経年齢の目安を知って予防を始めることが大切なのだそう。

40代から始めよう! 閉経マネジメント 更年期をラクに乗り切る、体と心のコントロール術 p.46~47

「プレ更年期」にはまだ骨密度を上げる力が残されているため、骨を強くする食事を意識し、“骨貯金”をしていくこともカギとなる。骨というとカルシウムというイメージが強いが、著者はビタミンDやビタミンKもしっかりと摂取してほしいと語る。

 なぜなら、ビタミンKにはカルシウムを骨に取り込んで骨の強度を上げる役割があり、体内のビタミンDが欠乏すると、腸のカルシウム吸収が不十分となり、骨量(体内の骨組織の重量)が下がって、骨密度の低下につながるから。そのため、著者は1にビタミン、2にカルシウムを意識して骨密度を効率よく上げていこうとアドバイスしている。

 また、このプレ更年期には歩き方を見直すのもおすすめ。著者いわく、骨は一定の加重がかかると、その力に耐えられるように骨を作る細胞が働き始めるという性質を持っているため、「かかとで体重をしっかり受け止める歩き方」に変えると、骨の形成につながるのだとか。

 本書では、骨を支える筋肉の維持につながる「閉経マネジメント体操」もイラスト付きで紹介されているので、そちらもぜひ参考にしてほしい。

40代から始めよう! 閉経マネジメント 更年期をラクに乗り切る、体と心のコントロール術 p.156~157

「更年期」は症状の重さに合わせた閉経マネジメントを

 いよいよ「更年期」に突入したら、自分の更年期症状の重さを踏まえ、マネジメント法を考えていこう。

 症状が軽い、または気にならない程度である場合、著者が勧めるのは「ライトマネジメント」。カルシウムやビタミンD、ビタミンKに加え、大豆食品に含まれる「イソフラボン」が腸内細菌の働きにより代謝されて生まれた、女性ホルモンに似た働きを持つ「エクオール」をサプリメントでも補い、骨密度の維持に励むことが重要なのだとか。

 対して、日常生活に支障が生じるほど更年期症状がつらい場合は、ホルモン補充療法(HRT)を始めつつ、骨密度の維持に努める「アクティブマネジメント」を行おうと提案。

 著者はホルモン治療に関する知識もわかりやすく解説しているため、治療の不安が軽減し、病院へ足を運びやすくなるだろう。

 なお、本書には閉経前後にかかりやすい疾患とその予防法も記されているので、こちらも要チェック。ふろくとして収録されている、ライフステージ別に重要となる医療機関をまとめた表や自分の今の状態がわかるチェックリスト「体と心の更年期症状アンケート」も役立ててほしい。

 著者が語る、更年期を楽に過ごし健康に歳を重ねていくための秘訣を知れば、未来はもっと明るく、楽しいものになるはずだ。

文=古川諭香

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