夫の不倫をやめさせるため、夫の友達と協力する妻。その先の展開は……『この愛は倫(みち)にあら不(ず)』

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更新日:2022/8/15

この愛は倫(みち)にあら不(ず)
『この愛は倫(みち)にあら不(ず)』(玉城るか/主婦の友インフォス)

 夫は30歳のエリートサラリーマン、妻は27歳の専業主婦、3年前は幸せ絶頂だったはずなのに、今の2人は見る影もない。

 8月1日から『ピッコマ』で先行配信されている、玉城るかさんが描く『この愛は倫(みち)にあら不(ず)』(主婦の友インフォス)は、物語序盤から夫・正人の傍若無人ぶりが遺憾なく発揮されている。ご飯がいるというから用意をしていたのに、急にいらないと言う。用意していたと言えば「お前は頭が足りないのか」「予定など仕事次第でいくらでも変わる」と言い放つ。妻の沙奈恵から自分も働きたいと言われれば、「女が外に働きに出るなんて男が養えていないみたいでみっともない」と返す始末。

この愛は倫(みち)にあら不(ず) p10

 怒鳴ってくる正人に対して、沙奈恵は自分がダメだからだと落ち込んでしまう。そんなことないだろうと読んでいる側は思うが、彼女自身はもともと自分の意見を言うのが苦手で、そんな彼女とは対照的な、なんでも物怖じせずはっきりと言う正人に憧れていたというのもあり、ついつい飲み込んでしまう。

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 自分がもっとしっかりしていれば、と思う沙奈恵だが、ある日寝ている正人のスマホ画面を見て、妙に親密なスタンプが女性から送られていることに気づく。その後、出張から帰ってきた正人のスーツの内ポケットには、女性の名刺がインスタのアカウント付きで入っていた。恐る恐るその女性のアカウントを見てみると、出張だと言っていた日に、明らかに2人で夕食をしているような写真が投稿されている。

この愛は倫(みち)にあら不(ず) p16

 もしかして、不倫かもしれない。信じたくはないが、不安は消えない。そして結婚記念日、気合いをいれて家を掃除し、料理を作って待っていたが、正人からは「急に出張になった。明日夜帰る」とだけメッセージが。そして、震える手で女性のインスタアカウントを開くと、そこには誕生日だと言ってプレゼントと一緒に写る女性と、正人の後ろ姿が写っていたのだった。

 第1話冒頭、ここまで読んでタイトル名にもある通り、夫の不倫に対する妻の物語だろうと思っていた。しかし、物語は次第に予想外の展開に進んでいく。

 夫が不倫をして留守にした結婚記念日の夜、正人の友人であり、売れない画家の倉田律樹が突然家にやってきたのだ。

この愛は倫(みち)にあら不(ず) p25

 彼は、沙奈恵たちの結婚式のときに「本当にあいつでいいの?」と不穏な一言を投げかけてきた人物でもあった。

 明らかに何か事情を知っていそうな倉田。そして、正人の不倫を知った彼は彼女に解決することを約束する。自分のもとに正人に戻ってきてほしいと願う沙奈恵はついその提案に乗ってしまうが、倉田が見せた現実は思いの外残酷で――。

 単なる不倫物語と侮るなかれ。倉田の登場によって、すっかり先の読めない展開になり、続きが気になって仕方ない。果たして正人は昔の優しかった頃の彼に戻ってくれるのか。倉田は一体何を考えて沙奈恵に近寄ってきたのか。3人の関係がどう変化していくのか注目だ。

文=園田もなか

▼「ピッコマ」先行配信ページ
https://piccoma.com/web/product/106502?etype=episode

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