いつものごはんがぐっとおいしく! 調味料の使い方をマスターして、定番料理も凝った味付けに

暮らし

公開日:2022/8/30

 料理のおいしさを決めるだけでなく、バラエティに富んだ食事を楽しむために大切な「味付け」。さまざまな調味料の使い方によって、そんな味付けの面白さを伝えるのが、『増補改訂 調味料とたれ&ソース 永久保存レシピ647』(主婦の友社)だ。

 2018年刊行の『調味料とたれ&ソース568』に新しい内容を加えてデザインも一新した本書。醤油や味噌、みりんなどの和の定番調味料のほか、お酢やトマトケチャップ、マヨネーズなど、和洋中の料理で活躍する調味料の種類別に、使い方、そして具体的なレシピを伝えている。

増補改訂 調味料とたれ&ソース 永久保存レシピ647 P19

 レシピは、料理に使いやすい調味料の配合と、3~4の簡単なステップで解説。この配合と投入のタイミングをおさえれば良いのでシンプルだ。さらに、応用がきくアレンジ版の配合も伝授。たとえば、しょうゆをベースにした「ぶりの照り焼き」の作り方では、しょうゆ、みりん、酒、砂糖による基本の配合のほか、おろしにんにくを入れた青魚に合う「にんにく照り焼き」用や、淡白な魚に合うカレー粉入りの「南蛮焼き」用、ゆずの輪切りを入れた「ゆうあん焼き」用の配合も掲載する。食材や好み、気分によって味付けを変えられるので、使い回しがききそうだ。

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増補改訂 調味料とたれ&ソース 永久保存レシピ647 P133

 醤油やマヨネーズなどよく使う調味料だけでなく、ナンプラーやバルサミコ酢、オイスターソースなど、世界の調味料も網羅。しょうゆとみりんとバルサミコ酢を合わせた「照り焼きだれ」や、トムヤムクンペーストを使った「タイ風肉じゃがだれ」などは、材料も少なく手軽に作れる。マイナーな調味料は、一度使ったきりで冷蔵庫の肥やしになってしまいがちだが、本書を活用すれば、定番料理もいつもと違う凝った味付けができる上に、調味料を上手に使いきれるだろう。

増補改訂 調味料とたれ&ソース 永久保存レシピ647 P20

 焼き肉のたれや鍋のたれ、ドレッシング、ポン酢などの自家製たれ・ソースの作り方も充実。たとえば、焼き肉のたれ・つけだれだけでも、さっぱり味や、マヨだれ、ねぎ塩だれ、レモンみぞれなどバラエティが豊富。市販のたれはボリュームがあるので、一度の焼肉で何種類も買うのはためらうが、自家製たれなら、自分や家族の好みに応じてたくさんの種類が用意できる。たれがおうち焼肉パーティの気分を上げてくれそうだ。ドレッシングも、基本の配合をベースに、フレンチにコールスロー、和風、カリカリベーコンドレッシングなど、和洋中のさまざまな味を紹介。その日の献立に合わせてドレッシングを作り分けるのが本書のおすすめだ。

 おうち時間が増えた今、自分や家族の食事のマンネリ化に悩む人や、和洋中さまざまな料理を楽しみたいと思っている人も多いのではないだろうか。本書はそんな人に、新しい食材を取り入れるだけでなく、家にある調味料の使い方を工夫するだけで、いつものごはんがぐっとおいしくなると教えてくれる。本書の配合を試しているうちに、好みのスパイスや香味野菜をちょい足しするなど、自分なりのアレンジを楽しめるようになるかもしれない。奥深い調味料の世界を伝え、料理好き読者を調味料の沼へと導いてくれる1冊だ。

文=川辺美希

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