怖い! 四十肩を放置すると「フローズンショルダー」になることも。肩が痛くて腕が上がらなくなっても、違和感をなくす動作と生活術で改善!!

健康・美容

公開日:2022/10/6

 40歳前後になると、「腕が上がらない」「肩が動かせない」といった四十肩を経験する人が増えてきます。肩が痛くなっても「四十肩は放っておけば治る」と軽く考え、そのままにしてしまう人もいるでしょう。『「肩が痛い」「腕が上がらない」人のお助けBOOK』(主婦の友社)の著者で、カイロプラクティック院を経営する町田秀樹さんによると、四十肩は実際、放っておくと治ってしまうこともあるそうですが、再発して痛みが残ったまま放置すると、最終的に肩が上がらなくなって凍結肩(フローズンショルダー)という状態になる人がたくさんいるそうです。

 こうなる元凶のひとつは、巻き肩。巻き肩によって肩をすくめるようにしていると、背中が丸くなって顔が前に出てきます。すると、肩や首周辺の筋肉が頭の重さを受け止めなければならなくなります。この筋肉への負荷によって炎症が起こり、腕が上がらなくなる痛みを生むきっかけになるのです。

 本書は、「巻き肩」になってしまうメカニズムから、巻き肩を改善するための体の動かし方、四十肩・五十肩になってしまった人の肩や腕の上がる角度別の改善術をやさしく解説。四十肩・五十肩予防になる日常生活のコツもご紹介します。

「肩が痛い」「腕が上がらない」人のお助けBOOK P40

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30度までしか腕が上がらない人の痛み改善術

うつ伏せ肩枕のやり方

 無理に腕を上げようとしても、ほとんど上がらない状態なので、自分の力で動かすことをやめてみてください、重力に任せてゆっくりと肩を伸ばす気持ちで胸を開きましょう。

「肩が痛い」「腕が上がらない」人のお助けBOOK

①うつ伏せに寝て、痛いほうの肩の下に枕を敷く。可能なら、顔を枕と反対側に向ける。痛みがきつければ下向きでOK

②そのまま10~30秒、痛みが消えるまで維持する。最初にジワッと痛みは出るが、30秒経つまでには消える

30度から45度までしか腕が上がらない人の痛み改善術

肩・腕下げのやり方

 まだまだ無理をする状態ではありません。体を休めつつ、肩を下げるための練習をしましょう。肩に力が入って上がったままになっているので、腕から下げていってください。

「肩が痛い」「腕が上がらない」人のお助けBOOK

 姿勢を正して真っすぐ立ち、あごを引く。手もしくは腕を下げるように意識する。10~30秒行う

◆肩甲骨に、より下がる力が加わります。肩甲骨は下にはほとんど動きませんが、生活の中で最も行っていない動きなので重要です。

45度から60度までしか腕が上がらない人の痛み改善術

肩関節しぼりのやり方

 ここまで上がるようになったら、肩が上がるようになってきた証拠。そろそろ動かしながら肩の状態を整えていきましょう。

「肩が痛い」「腕が上がらない」人のお助けBOOK

①姿勢を正して真っすぐ立つ

②両腕を下げたまま、手のひらを外側に向けるように限界まで腕を10秒しぼる(ねじる)
※肩甲骨が中心に寄るが、寄せる意識はもたないように。あくまで肩甲骨は下げるイメージで。
※意識的に肩甲骨を中心に寄せると、顔が前に出てマヌケな姿勢になる。

◆背中の筋肉が正しく大きく使われます。背中の筋肉がつってしまう人は、しぼり方(ねじり方)を調整してください。

60度から90度まで腕が上がる人の痛み改善術

ひじ曲げ肩開きのやり方

 さらに改善させるため、自分の力と反動を使って肩甲骨をより下に下げていきましょう。

「肩が痛い」「腕が上がらない」人のお助けBOOK

① 壁際に姿勢を正して真っすぐ立つ

② 片手を壁に添えるように、前腕を外側に10秒開いていく。反対側の肩も同様に行う

◆場合によっては、肩の周辺やひじあたりにしびれのような感覚が出ます。無理なく気持ちがよい程度のねじり方、ひじの曲げ方で調整してください。

90度以上腕が上がる人の痛み改善術

90度肩開きのやり方

 無駄に肩甲骨が開いてしまった結果、腕の動かし方のバランスが崩れて痛みが出ています。肩甲骨をできるだけ動かさずに腕を上げてみましょう。

「肩が痛い」「腕が上がらない」人のお助けBOOK

① 片手を壁に添えながら、姿勢を正して真っすぐ立つ

「肩が痛い」「腕が上がらない」人のお助けBOOK

② 痛みが出るほうの腕を真横に上げ、一歩前に出て、体の後方に腕を10秒ねじる。反対側の腕でも行う

※こうすることで、大胸筋を伸ばすことができる。ただし、あごが上がると効果がなくなるので注意。

■プロフィール紹介
町田 秀樹(まちだ ひでき)

カイロプラクティック町田院長。1996年、日本体育大学体育学部健康学科卒業。2002年、「カイロプラクティック町田」を開業。劇的に痛みをとることに定評がある。2017年から東京工学院専門学校講師。著書に、『できる人はなぜ、そこまで「姿勢」にこだわるのか? 毎日5分の背骨の体操でここまで変わる!』(翔泳社)

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