甘々なのにもどかしい! 6年越しに再会した姉弟のムズキュン同居生活に浄化される……

マンガ

公開日:2022/11/14

それでも弟は恋したがる
それでも弟は恋したがる』(林みかせ/白泉社)

 本当の家族のように育った義理の姉弟をもしも好きになってしまったら、自分ならどうするだろう。『それでも弟は恋したがる』(林みかせ/白泉社)は、思わずそんなことを考えてしまう、もどかしくて甘々な同居生活を描いた物語。月刊コミック誌『LaLa』(白泉社)で連載されているマンガ作品だ。

 本作品の主人公は、この春から大学院1年生になった仁井名奈央。奈央には、同じくこの春大学1年生になったばかりの義理の弟がいるのだが、6年前に「中学から全寮制の中高一貫校に行くことにした」と家を出て以降、全く会っていない。しかしある時、学生寮の水道管が破裂して入寮停止となり、その義弟・仁井名理人が1か月ほど奈央の家に泊まりに来ることに。

それでも弟は恋したがる

 6年ぶりに会った理人は驚くほど成長し、雰囲気も落ち着いて格好よくなっていた。それでもやっぱり、奈央にとって理人は可愛い弟。できることなら何でもしてあげたいし、ハグしたいし、守ってあげたい。そう思っていた。だが一方で、理人の方は違っていた。実は彼は、6年前からずっと奈央のことを異性として好きだったのだ。家を出たのも、本当は姉と弟という距離を保てなくなりそうだったから。

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それでも弟は恋したがる

 でも、成長してようやく再会したのに、奈央は相変わらず自分のことを「弟」として見ている。だったら――と、理人は「弟」という立場を利用して奈央にアプローチをかけていく。奈央の前で半裸になったり、ほっぺにキスをしたり、跳ねている後ろ髪を直してもらったり。そんな理人の努力の甲斐あって、奈央は少しずつ理人を「異性」として意識し始めて――。

それでも弟は恋したがる

それでも弟は恋したがる

 互いに思い合っていて、意識もするけれど。でも、義理であっても姉弟。この2人の、甘々なのに一線は越えられない絶妙な距離がもどかしく、じれったくて、見ているこちらがやきもきしてしまう。また、奈央と理人だけでなく、周囲の人間関係にも注目したい。奈央の友人・持田芽依と理人の友人・小黒、奈央の男友達・柚木宗一郎など、何かが起こりそうな関係があちこちに潜んでいる。これからどんな関係に発展していくのだろうか。

それでも弟は恋したがる

 1巻後半では、ついに理人の寮の修繕工事終了のお知らせメールが。それをたまたま見てしまった奈央は、改めて今の同居生活には「終わり」があるのだと気づかされる。2人の同居生活は、2人の仲はどうなっていくのか。ここはぜひとも本書で、自らの目で確かめてほしい。

  義理の姉弟という近すぎる関係だからこそ、なかなか詰められない距離。理人の儚さを感じさせる美貌がまた、一層そのムズキュンを強めてくれる。今恋をしている人もしていない人も、『それでも弟は恋したがる』ならドキドキさせられること間違いなし!

文=月乃雫

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