偽のキラキラ私生活を発信する「汚部屋住み女子」と、裏の顔を持つイケメン大学生――『サギ恋』の行方は?

マンガ

公開日:2022/11/15

サギ恋~タイパ詐欺女とプチロマンス詐欺男~
サギ恋~タイパ詐欺女とプチロマンス詐欺男~』(貞ユリナ:原作、雨田青子:絵/主婦の友インフォス)

 胸キュンだけでなく、ドキドキ感やスリルもある恋愛漫画に触れたい…。そう思っている大人女性にぜひ、おすすめしたい作品がある。

 それが、偽りの自分で生きる男女の恋模様を描いた『サギ恋~タイパ詐欺女とプチロマンス詐欺男~』(貞ユリナ:原作、雨田青子:絵/主婦の友インフォス)。電子書店で連載がスタートした本作は、周囲にズボラであることを隠しているバリキャリ女子と、よからぬ企みを秘めながら家事代行サービスを請け負う男子学生の恋模様を描いた、スリリングな恋愛コミックだ。

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自分を偽る者同士が繰り広げる「サギ恋」の行方は…?

 幸田アイ(30)は、会社で半年連続営業売上1位を記録するほど、仕事ができるバリキャリ女子。口癖はコスパならぬ、タイパ(タイムパフォーマンス)を重視すること。

サギ恋〜タイパ詐欺女とプチロマンス詐欺男〜

 SNSでは、オシャレな私生活を発信。オンオフ共に非の打ち所がない姿に、同僚は羨望の眼差しを向けている。

 だが、アイには誰にも言えない秘密が…。それは、家で服を着ることも面倒だと感じるほどの超ズボラであること。外にはほぼ出ず、買い物はネットスーパー頼り。部屋の中では定位置である、こたつから動かなくてもいいよう、冷蔵庫やウォーターサーバーを近くに置く徹底っぷり。

 部屋は、投稿用のオシャレ部屋以外は散らかり、荒れ果てた状態。SNSには買い取った写真を投稿し、キラキラした私生活を送っているように装っているのだ。

 こうした生活を送るのは、仕事の時間を捻出するため。人よりもできない自分が周囲に認めてもらうには、他人の2倍、時間をかけて頑張るしかないとアイは思っており、口癖である「タイパ重視」とはほど遠い生活を送っていた。

サギ恋〜タイパ詐欺女とプチロマンス詐欺男〜

 そんなある日、ひょんなことから唯一、綺麗にしていた投稿用のオシャレ部屋が散らかってしまい、家事代行サービスを依頼することに。すると、家にやってきたのは、大好きな俳優にそっくりなイケメン作業員・小泉だった。

サギ恋〜タイパ詐欺女とプチロマンス詐欺男〜

 アイは、清掃後に手料理まで用意してくれた小泉を引き留め、一緒に食事。その中で、小泉が大学へ行きながら祖母の介護をしていることを知る。心打たれたアイはもっと距離を縮めたいと思い、連絡先を交換する。

 アイの家が綺麗な状態を保っていたのは束の間。再び荒れ果て、物が散乱するようになった頃、突然母親から連絡があり、家にくることとなった。

 何やら家族との確執を抱えているアイは、汚い部屋を見られることに恐怖を感じ、再度、小泉に掃除を依頼。

 すると、清掃後またしても距離が縮まる出来事が。小泉は「自分を育ててくれた祖母がもう長くないため、早く結婚をし、式に招待したい」と打ち明け、アイとプライベートで食事に行きたいと誘ってきた。

 これにより、アイはノックアウト。小泉に対する想いは、より一層強くなっていく。

 だが、実は小泉には裏の顔が…。なんと、アイ以外にも複数の女性と連絡先を交換して、お金をひっぱっており、アイにも“ある企み”を持って近づいていたのだ。

サギ恋〜タイパ詐欺女とプチロマンス詐欺男〜

 しょっぱなから不穏な空気が漂うこの恋は、予想不可能な展開がもりだくさん。ページをめくる手が止まらなくなることだろう。

 本作では恋の行方だけでなく、徐々に明かされていくアイと小泉の過去にも注目したい。アイはどんな家庭環境から自信を喪失し、タイパ詐欺な女性になったのか。そして、小泉にはどんな目的があって、複数の女性たちと連絡を取り、お金を稼いでいるのか…。ふたりの過去を知り、ぜひその謎を解明してみてほしい。

 自分を偽りながら生きるふたりの恋愛は“サギ恋”のまま終わるのか。それとも、愛が芽生え、本物の恋になるのか見ものだ。

文=古川諭香

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