味つけの黄金比率で、料理はグッとおいしくなる! 人気料理研究家・Mizukiが教える、アレンジ無限大レシピ集

暮らし

更新日:2022/11/24

Mizukiの味つけ黄金比率
Mizukiの味つけ黄金比率』(Mizuki/Gakken)

 日常的に料理をしていると、案外計量カップや計量スプーンを使う機会がなく目分量で作ってしまう、という人も少なくないのでは。それ故に日によって味が変わってしまい、「あの日のあの味が好きだった!」と思ってもなかなか再現できないという残念な結果に。また、運が悪いと「思ってた味と違う……」と思わぬ失敗が発生してしまうことも。

Mizukiの味つけ黄金比率』(Mizuki/Gakken)は、そんな「何となく」から脱却し、調味料のバランスを確実な「知識」に変えてくれる、料理初心者から料理好きまで幅広く救ってくれそうなレシピ本。

 著者であるMizukiさんは、調理師免許とスイーツコンシェルジュの資格を持つ料理研究家。ブログ「Mizukiオフィシャルブログ~奇跡のキッチン」のPV数は月間300万を超え、Instagramのフォロワー数は現在100万人を突破。著書の『今日のごはん、これに決まり!Mizukiのレシピノート決定版!500品』が料理レシピ本大賞in Japan 2022料理部門で準大賞を受賞したことも記憶に新しい(その際のインタビュー記事はこちら)。

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さまざまな味つけの基礎となる調味料の「黄金比率」が学べる!

 本書では、タイトルどおり、さまざまな味つけの基礎となる調味料の配合、いわゆる「黄金比率」を学ぶことができる。この「黄金比率」さえ知っておけば、家にある食材を使って、オリジナルのアレンジレシピを無限に展開させることができる。黄金比率のパターンごとに、定番レシピとアレンジレシピがセットで紹介されており、見ていると「こうやって活用するのか!」と、改めて味つけを学ぶ重要性を感じさせられる。また、味つけのベースになる調味料や計量器具の種類、正しい使い方もしっかりレクチャーしてくれるため、これから料理を始める人にとっても安心だ。

 例えば、老若男女問わず多くの人を魅了する「照り焼き」の味つけの黄金比率は、醤油2:酒2:みりん2:砂糖1。黄金比率がパッと見て分かるよう、各ページにビジュアル付きで書かれているところにもやさしさを感じる……。

 照り焼きは、適当に作ると意外と辛くなってしまったり、思ったより甘ったるくなったりと味にばらつきが出やすいもの。この比率を頭に置いておけば、そうした細かい失敗もなくなる。しかも鶏肉でも豚肉でも魚でも味が決まる、絶妙な比率を提示してくれている。「照り焼きならとりあえずこの比率!」とシンプルなのが非常にありがたい。

 そして「甘辛炒め」も「肉巻きおにぎり」も、実は全部照り焼き味! 言われてみれば確かにそうなのだが、何となく違うものとして認識していた。味つけも、整理整頓すれば覚えるべきものを最小限に抑えることができるのだ。

 ほかにも、バター醤油やみそ炒め、塩だれ、チリソースなど、押さえておいて損はない味つけの黄金比率がどんどん登場する。筆者が特に気になったのは、ポン酢と砂糖だけでできる「ポン照り」と、余りがちなマスタードを活用できる「マスタード醤油」。

 ポン酢を活用することで、柑橘風味の爽やかな甘酢もあっという間! チキン南蛮の甘酢が材料2つでできてしまうとは……ぜひともマネしたい!

 冷蔵庫に眠っている賞味期限間近のマスタードも、同量の醤油、酒、みりんと混ぜるだけでおいしさを引き立たせる最高のスパイスに! 洋風のマスタードに醤油などの和テイストが加わることで、アクセントとなじみ深さを両立させたマンネリ防止メニューとして大活躍しそうだ。

ワンランクアップした味が「運」ではなく「実力」になっていく

 こうして『Mizukiの味つけ黄金比率』で1つ1つ確認、あるいは再確認しながら実践していくことで、ワンランクアップした味が「運」ではなく「実力」となっていく。また、人気メニュー「鶏のから揚げ」の下味の黄金比率や、これからの季節に重宝する煮物の黄金比率、あと1品ほしいという時に役立つお手軽副菜の黄金比率など、知りたい黄金比率が70パターンも詰め込まれている。筆者もつい目分量で適当に作ってしまうため、本書で改めて自分の料理を再確認してみたい。

文=月乃雫

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