ラノベ好きの、ラノベオタクによる、ラノベネタ満載のライトノベル!

ライトノベル

公開日:2012/12/14

フロムエース1 可愛すぎるクラスメイトとバイトするんだけど、何か質問ある?

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : KADOKAWA / 富士見書房
ジャンル:ライトノベル 購入元:BOOK☆WALKER
著者名:尼野ゆたか 価格:450円

※最新の価格はストアでご確認ください。

なんとも明確な、いや。明快な作品があったものだ。と、きっとみんなが思うであろう作品です。なにが明らかだっていうと、想定読者が、ですよ。

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これ以上ないくらいにライトノベルネタが満載です。別に知らなきゃ知らないでかまわないんですが、バックボーンにある業界の設定やら登場する作品名やらが、実在する社名やレーベル名、それに作品名のもじりになっているんです。そんな名称のいじり方は、それだけでも笑えるし、話のネタになる本作の重要な要素だと思うんです。

そしてもうひとつの特徴が、飛び交うネットスラング(主に2ちゃん用語)。これはもう、縦書きでも横書きでもおk。みたいな感じでしょうか。目次もさることながら、サブタイトルからして、すでにスレッド名みたいなことになっているしね。

でも、一見さんお断りな内向きの作品かというと、そうではない。『ふつう』を目指す、妙なところだけスペックが高い主人公、武詞が、そのコンプレックスを克服する物語、という軸がちゃんとある。まさに少年誌にあるような、熱いなにか、ですよ。ライトノベルのメインターゲットが10代の青少年だとするならば、これもまたブレのない的確なプロットだよなぁ。プロの技ここにあり、という感です。あとがきにも記述があるのですが、かなり下準備を重ねてから執筆したようですね。

ライトノベルは、その名の通り軽く読めるティーン向けの読み物ですよ。でも、決してお手軽妄想をそのまま書けば本になるようなものではない。ましてや、勝手に売れていくようなものでもない。作中で、自分の大好きな本の売り上げを伸ばそうと奮闘する武詞同様、どの本にも筆者はもちろん、関わったすべての人の苦労や思いが詰まっているんだよなぁ、などと考えさせられました。


口絵のレベルもここまできましたよ

掲示板風の『もくじ』

ふつうじゃないことができる武詞は、ふつうを求める

略して『フルオタ』。しかも、各巻ごとのサブタイトルまでちゃんともじってある

各章の間には、こんなQ&A風のおまけページもあるよ!