あなたは「理論型」「感覚型」「行動型」のうちのどれ？ 生まれ持った気質を理解し、「他人に振り回される私」を変えるには

　職場や家庭、あらゆる人間関係の中で「なぜこの人とはいつも意見がすれ違うんだろう？」「いまいちフィーリングが合わなくてやりづらいなあ」と疲れてしまう相手はいませんか？ でも、理解できなかったあの人のことが「手に取るようにわかる方法」があったとしたら、どうでしょう？

『「他人に振り回される私」が一瞬で変わる本　相手のタイプを知って“伝え方”を変えるコミュニケーション心理学』（山本千儀/日本実業出版社）は、人が生まれ持つ性格「気質」を中心に、あらゆるジャンルで使えるコミュニケーション心理学のノウハウを初公開した1冊。相手の性格や行動パターンに対処することで「他人に振り回されない自分」を作るための本です。

　著者は、国際線客室乗務員として19年勤務した経験を持つ心理学講師。過酷な幼少期の体験などから、多くの心理学やカウンセリング手法を研究してきました。本書では、著者が自身の体験と受講生の実例も踏まえて「生まれ持つ気質から読み解く人間関係」と「コミュニケーションが円滑にいく手法」を伝授しています。

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　本書によると、人の性格は「生まれながらに持つ気質（先天性）」と「育った環境で育まれる人格（後天性）」で形成されるとのこと。この先天性の「気質」が性格の土台であり、本書のテーマでもあります。「気質」は大きく3つのタイプに分かれていて、それが「理論型」「感覚型」「行動型」です。

・理論型…何事も根拠や理由が大事な人で、まず「何で？」と理由を聞きたくなる人。論理的、計画的であり、納得しないと動きにくい。

・感覚型…何かいい、良さそうという感じ方で判断して動く人。まず気持ちが大事な人で、情にながれやすく、気分を変えないと動きにくい。

・行動型…理論よりも行動が大事な人で、考えるよりもまずは試してみたい人。決断が早く、簡潔、明瞭な結論が先に欲しい人。

p.41「性格タイプと性格的な特徴」から引用

　本書では「行動特性テスト」に答えることによって自分の気質を知ることができます。また、話す相手のタイプを推測することによって、円滑な関係を作り、効果的なセールストークを展開することができます。この時、自分も相手のタイプになりきったような対応をすることがコツです。

「理論型」の人は、何事にも具体的かつ詳しい説明を求めます。物事を伝えるときは「なぜなのか」を細かく理路整然と伝えることが重要です。

「感覚型」の人は、物事を感覚的な言葉で表現し、相手の共感も求めます。「すごい」「嬉しい」というリアクションを返したり、気持ちに寄り添うような言葉を送ったりしましょう。

「行動型」の人はスピーディーなことを求めるので、物事は端的に伝えましょう。また「行動型」にはやや支配的なところがあるため、こちらが下手に出ると心地よくなってくれるようです。

　このように、相手の気質タイプを把握した上で対応することで、だんだんと他人に振り回されなくなっていくと、著者は言います。

　本書にはパートナー、友人、上司部下、親子といった人間関係が気になる人や、繊細で気疲れしやすいHSPさんに役立つコミュニケーション心理学のノウハウが満載です。ゆる可愛いイラスト付きなので、人の思考と行動パターンを楽しく学ぶことができます。自分と相手との違いを知って、「他人に振り回される私」からの卒業を目指しましょう！

文＝ジョセート