お悩みタイプを4つに分類! あなたの「思考タイプ」がわかる「東大式感情コントロール術」【タイプ分けリスト付】

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更新日:2023/2/24

「悩む」を時短する! 東大式感情コントロール術
「悩む」を時短する! 東大式感情コントロール術』(東大カルペ・ディエム:著、西岡壱誠:監修/主婦の友社)

 人生の貴重な時間を悩みや不安、怒りなどのネガティブな感情に振り回されることに費やしてしまってはいないだろうか?

 もちろん悩みや怒りなどは人を成長させる糧にもなる。が、できれば、それらはスピーディに解決して、人生をより創造的でポジティブにするために時間を費やすべきだろう。

 そんなとき、「悩んだ経験が人一倍ある東大生たち」が、「どのようにして悩む時間を減らしていたのか」をまとめたという本書『「悩む」を時短する! 東大式感情コントロール術』(東大カルペ・ディエム:著、西岡壱誠:監修/主婦の友社)が役に立つ。

 著者名義の東大カルペ・ディエムとは、『東大読書』『東大作文』(いずれも東洋経済新報社)などのベストセラーシリーズの著者である西岡壱誠氏を筆頭に、偏差値が低い、周りに東大受験生が全くいないなど、困難な状況から東大合格を果たした「逆転合格東大生」の集団。

 本書は、そんな彼らの体験や、東大卒でYouTubeチャンネル登録者数約13万人(2023年1月時点)の勉強法デザイナー・みおりんさん他、40人以上の東大生へのアンケートやインタビューなどをデータベースに、「心理学や脳科学を利用した」お悩み解決法や感情コントロール術を、「思考タイプ別」にアドバイスしてくれる一冊だ。

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自分の弱点としっかりと向き合って対応できる人になれば、最強になれる!

 そこで読者はまず第1章を読み進めながら、自分が以下のどのタイプに属するかを自己診断するのである。

「悩む」を時短する! 東大式感情コントロール術 p.14-15

タイプA. 「ポジティブ×自責」ポジティブで理想が高いからこそ、現実とのギャップで悩みやすい
タイプB. 「ネガティブ×自責」マイナス思考であるうえに、自分だけで悩みを深く考えて負のスパイラルに陥りやすい
タイプC. 「ポジティブ×他責」理想が高く、自分だけではなく、他人にも厳しいがゆえに苦しくなりやすい
タイプD. 「ネガティブ×他責」環境、他人に対してネガティブに考えてしまい、自分の望みとの差に悩みやすい

 ちなみにポジティブ(前向き)・ネガティブ(悲観的)は思考傾向で、他責・自責は何かあった際にまずは他者の責任にするか、自分の責任にするかの性格傾向で、その組み合わせになっている。

 どのタイプであろうと、それぞれに一長一短がある。本書によれば大切なことは「自分の弱点を知っておくこと」であり、「自分の弱点としっかりと向き合って対応できる人になれば、みなさんは最強になれる」のだという。

誰にとってもあるあるな15のお悩みが厳選されている

 自分のタイプがわかったら第2章以降は、提示されるさまざまな悩みの事例に対してのタイプ別アドバイスを読み進めていくことになる。とはいえ、自分が該当するタイプへのアドバイスだけを読むのではなく、すべてのアドバイスを一読して、実践してみたいと感じたアドバイスを実行に移してみるのが、本書の賢い使い方だろう。

 では、本書にピックアップされている悩みの事例をいくつか挙げておこう。

 ・少しでも心にひっかかることがあると、夜寝る前に考えが止まらなくなってしまう
 ・頻繁に連絡をとったり、どんなことでも気軽に話したりできる友人がおらず、孤独を感じる
 ・自分に自信が持てず、「どうせ自分には無理」とやる前からあきらめてしまう
 ・苦手な人を相手に、イライラせずに接することができない
 ・どうにもやる気が出ず、モチベーションが上がらない
 ・意志が弱く、つい誘惑に負けてしまう
 ・軽い気持ちで言われたちょっとした言葉など、小さなことを気にしてしまう

 などなど、本書には世代性別を問わず、誰にとってもあるあるな15のお悩みが厳選されている。

 特に長引くコロナの影響で「仕事やふだんの生活に意味や楽しみを見いだせず、生きる希望を見つけられない。将来について漠然と不安になることがある」と、悩む人も少なくないだろう。そんな悩みに対して、本書では「自分会議」を開いてみようとアドバイスする。

自分と向き合う「自分会議」で将来への不安を払拭しよう

「自分会議」とは、ノートとシャープペンシル(書き直し可能な筆記用具)を用意したら、以下の3点について思いつくまま書いていくのだという。

 ・いまの自分は何が不満なのか、何に対してもやもやしているのか
 ・なぜそのような状態になっているのか
 ・理想の状態はどんなものなのか

 本書であげられている具体例を紹介しよう。

「いまの自分は何が不満なのか、何に対してもやもやしているのか」では、たとえば、こんなことを思いついたとしよう。

 ①仕事のやりがいが得られないことが不満
 ②いっしょに遊べる友達がいなくてもやもやする
 ③お金がなくて趣味も楽しめない現状にもやもやする
 ④いまの仕事の給料が安く、この先も上がる希望がないからもやもやする

 このように一通り書き尽くしたと思ったら、次に「グルーピング作業と因果関係さがしを行う」という。これにより「なぜそのような状態になっているのか」が分析できるのだ。

 上記の①と④は仕事関係の問題、②はプライベートの問題、③はプライベートの問題なのだが、「自分の不満の根本的な原因は④にある」ということが整理できてくる。

 その後、「理想の状態はどんなものなのか」を考えれば、たとえば「やりがいがあって、昇給の見込める職に就く」といった目標にたどり着くだろう。

 じつはこの自分会議は、前述のみおりんさん(彼女自身はBタイプなのだそう)が考案し実践する、「Bタイプ向けのちゃんと解決の糸口を見つける治療薬のような方法」だという。だが、しっかりと自分と向き合って将来への不安を払拭させるこの方法は、タイプを問わず、実践して決して損はない、有効なアドバイスではないだろうか。

 人生に悩みはつきものだ。しかし、それによって人生の歩みが停滞してしまってはもったいない。さらなる一歩を踏み出していきたいとき、本書を参考にしてみてはいかがだろうか。

文=町田光

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