長澤まさみ主演で映画化決定。ひとりの男の子の死を巡る連作ラブストーリー
更新日:2012/12/25
ハルタは誰からも愛されている人気者、女子たちの憧れの存在だった。そんなハルタの死が、幼馴染のカンナを始め、たくさんの人の心に影を落とし、その後の人生にまで影響を与える。2013年秋、長澤まさみ主演で映画化決定。いくえみ綾が描く、切なく優しい恋物語。
私は塾講師のアルバイトをしているのですが、中学1年生と中学3年生って、まったく別の生き物のように感じるんです。10代の子どもたちの成長って本当に驚くほど顕著で、人って日々成長しているんだなと感じずにはいられません。この作品はそういう子どもたちの成長が、ひとつの悲しい事件を軸にしてとても丁寧に描かれている作品です。
ハルタが交通事故で亡くなるのは高校生の時。カンナを始め、その周りの人たちは、それから大学生になり社会人になります。変わり行くカンナの周りの環境とともに、少しずつ、ゆっくりとではあるけれど、ハルタの死を確実に受け入れていくカンナ。時間の経過がどれだけ偉大かということとともに、大切な人の死はどんなに時間が経っても決して消えることはないんだということを思い知らされます。
いくえみ綾の人間描写の旨さ、すごさにはいつも感動していましたが、こんなにもたくさんの人々の成長していく様を、ここまで描きあげることができるとは。同窓会で「みんな色々な人生を送っているんだな~」と思ってしまうあの感覚を、このマンガで体感できてしまいます。それほどまでに、たくさんの登場人物の物語ひとつひとつがリアルで、素晴らしかったです。たくさんの人生、そしてたくさんの恋愛のカタチがあるんですね。1話完結の物語が連作形式になっているので1冊だけ読むことももちろん可能ですが、できれば全巻通して読んでほしいです。そして、たくさんの人のやさしさや暖かさに触れてください。ちなみに私はアフロの古屋くんが大好きです! カッコイイ!
幼馴染のハルタとカンナ
4人での楽しい高校生活のはじまり
ハルタの本心は?
思いがけない事故
物語はまだはじまったばかりです
(C)いくえみ綾/集英社