1対1は驚きの弱さ、しかしチーム戦になると頭角を現す「影」の才能とは

公開日:2013/1/7

黒子のバスケ カラー版 1

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : 集英社
ジャンル:コミック 購入元:BookLive!
著者名:藤巻忠俊 価格:500円

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『週刊少年ジャンプ』に連載している本作は、バスケットコートを舞台に繰り広げられる熱血スポ魂もの。『このマンガがすごい! 2013 オトコ編6位』に選ばれ、またアニメが放映されると同時に書店からごっそりコミックスが消えた怒涛の入荷待ち伝説を持っています。先日コミックスが累計発行1400万部を突破し、アニメが終了してもなお旬が続く脂の乗った作品が電子書籍でフルカラー化して登場です。

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本作を引っ張っていくのは、「キセキの世代」と呼ばれる10年に1人の天才5人たち。
主人公達の目標はバラバラの高校に入学した「キセキの世代」を1人残らず倒すことですし、また主人公である黒子テツヤもそのキセキの世代に関連する人間です。実は黒子、「キセキの世代」に関する奇妙な噂の「誰も知らない、試合記録も無いのにキセキの世代5人が一目を置いていた幻の6人目」その人だったのです。

しかし体格も身体能力も平均以下で影が薄いだけの彼に、1対1を挑んだアメリカ帰りのバスケの天才、火神大我(かがみ たいが)は失望します。けれど黒子の本領は1対1で出るものではなく、チーム戦によって輝くものでした。手品の技術などでよく使われるミスディレクションという視線誘導を行い、存在感の薄さを利用してパス回しに特化した見えない「影」のような選手。それが「キセキの世代」の幻の6人目、黒子のバスケスタイル。彼の実力を火神も認めることに。

このように「キセキの世代」をはじめ出てくる有力な選手たちは様々な特技を持っています。その特技に利点と弱点があるからこそ、「敵の力を自分の持つ力でどうやって倒すか」という能力バトルもののミステリー要素がうまく生きる結果となっています。

具体的に言えば、1巻で早速でてくるキセキの世代の一角、黄瀬涼太(きせ りょうた)の「相手の技の模倣と倍返し」という特技に火神たちは始め圧倒されます。しかし「自分で再現できるものに限る」という弱点をみつけ、黒子の「影の薄さ」は身体能力どうこうというものでは無いので模倣不可、かつ弱点でもあるという結論に達して対抗。相手の弱点に自分達の利点でどう切り崩すか、能力バトルの醍醐味といえばやはりこういうパズルの要素があってこそ。身体スペックが黄瀬よりも遥かに劣るはずの黒子がブロックにつきと、どうやって抑えるのか想像できません。
一体どんな風にして彼らは黄瀬を攻略するのか。続きが気になる良い締めでした。


強敵に飢えた火神が「キセキの世代」だと聞いた黒子にバスケでサシの勝負を挑む

「存在感のなさを利用してパスの中継役に!? しかもボールに触っている時間が極端に短い!!」試合を観ていた人たちも1人残らず驚愕

弱い奴には興味がないという火神が黒子を認め、タッグを組んだ瞬間。凸凹コンビの完成です

キセキの世代の一角、黄瀬の実力の驚愕する面々。この他にもあと4人の天才が黒子や火神をそれぞれ待ち受ける