世界史上で起きた恐るべき毒殺事件を網羅

更新日:2011/10/27

毒殺の世界史

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 :
ジャンル:趣味・実用・カルチャー 購入元:電子貸本Renta!
著者名:瑞穂れい子 価格:315円

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世界の歴史モノの探索にはげみ、評価を得ている瑞穂れい子の著。他に「あまりにも悲劇な世界史」「残酷の世界史」などの著作がある。

即効性、遅効性に関らず、誰とも知られずに人を殺める道具として、古代より延々と使われてきた毒。その毒に魅せられた歴史上の人物について記された本である。本書では毒そのものの作用ではなく、毒殺にまつわる人間ドラマに焦点をあて、世界史上で起きた様々な事件を取り上げている。

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古代ローマ初代皇帝アクタビアヌスの妻リビア、古代ローマ皇帝ネロの母アグリッピナ、ネウストリアの王ヒルベリヒの妃フレデコンド、中世カトリック時代のフランスのユー・ジェラール司教、中国の則天武后など権力の座を巡り、毒殺をした者たちのエピソード。またイギリス王国チャールズ一世の王女アンリエット、紀元前5世紀頃ペルシア国王アルタクセルクセスの母バリュサティス、イギリス国王ジェームズ一世の時代のロバート・カー子爵など愛憎で毒を使った者たちのエピソードが挙げられている。

他にもアレクサンダー大王への死の接吻、ツタンカーメンの呪い、クレオパトラの死因、ナポレオンの死因などまた未だ謎に包まれ、毒殺と疑われている謀殺も取り上げている。また毒殺を楽しんだローマ帝皇帝カリギュラ、毒殺を趣味としていたブランヴィリエ公爵夫人、毒殺日記をつける猟奇殺人者ヤング、悪のスターに憧れたニール博士など愉快犯的に毒殺を繰り広げた人間や毒による処刑、毒を飲まされた人間の悲惨な最期なども記されている。

加えて、それぞれのエピソードに使用された毒も詳細に説明されている徹底ぶりである。本著は毒殺資料の本では筆頭に挙げられるであろう。

太古から幾度となく毒殺が人知れずに行なわれてきた。白日のもとにさらされるのは、当然ごく一部でしかない。だがその知られない闇の深さが人間の業の深さだと言えるのかも知れない。

目次

参考資料その1

参考資料その2