子どもにケータイ持たせますか? 持たせませんか? 答えに迷ったら読む1冊

小説・エッセイ

更新日:2012/3/7

ケータイ世界の子どもたち

ハード : PC/iPhone/iPad 発売元 : 講談社
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:電子文庫パブリ
著者名:藤川大祐 価格:648円

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携帯電話持っていない人(社会人で)ってどれぐらいいるんでしょうか? 持っていない人はもう稀ですよね。仕事では必須アイテムだし、自宅の固定電話にかかってくるのは勧誘電話が中心。家族でさえ携帯電話です。確かに便利です。

ただ、子育てしていると心配なことが1つ。子どもの携帯電話です。我が家は5歳と2歳なので、携帯電話(以下、ケータイ)を持たせる心配はまだ先のことかもしれません。でも、親としては気がかりです。

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本書では子どもたちはケータイを何に使っているのか? ネットいじめの実態、有害情報の規制などケータイの実情を詳細に調査しています。

今の子どもたちはケータイがあるのが当たり前の世の中で育っています。子どもは友だち同士、ケータイのメールでやり取りをします。それが狭い範囲での濃密なコミュニケーションとなってしまい間違った錯覚を起こすことがあります。ケータイがないと友だちと話ができないというものです。10代のケータイを持っている子どもたちはメールの返信が10分ないと「遅い」と感じるそうです。「返信が遅い」が原因で友だち関係が悪化するなんてこともあるそうです。

ケータイは簡単で便利だからこそ悪質な出会い系や詐欺のようなものにも簡単にひっかかることもあるのです。実際に小学生女児が出会い系で知り合った男性と会い、数日連れ回されるという事件があったり、ネットいじめはこの数年で摘発が増えているそうです。しかし、それも氷山の一角に過ぎないかもしれません。

悪質な事件も怖いですが、一番良くないのはケータイに依存して食事中もケータイ、寝る時もケータイとなってしまい家族や友人関係の関わりが歪んでくることです。

本書の後半では、子どもの健全な育成に必要なこと、親や教師ができることについての著者の意見がまとめられています。テレビやゲームに子守をさせないことや、家族で話し合うという関わりの重要性について指摘しています。

著者も述べていますが、携帯電話が諸悪の根源ではないのです。テレビもそうです。子どもがケータイを持ちたいと言ったらまずは親の責任としてなぜ必要なのか? 持つときのルールなどを徹底して話し合うことだと。

基本は「関わり合い」ですね! 子どもの心理も含め「ケータイ世界」の闇の部分は大人が知っておくべきことだと思いました。ケータイを有効活用すれば便利なものです。「悪用しない、させない」ためにもオススメの書です。是非、読んでください。

平成19年の年代別携帯電話の利用状況。小学生でも3割程度が持っているそうです。現在平成23年だからもっと増えてるかな?

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