なぜ、これほどソーシャルゲームのPRを目にするのか?

公開日:2013/2/2

ソーシャルゲームのすごい仕組み

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
ジャンル:趣味・実用・カルチャー 購入元:BookLive!
著者名:まつもとあつし 価格:802円

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ソーシャルゲーム、と聞いてなにを思い浮かべますか?

新聞、週刊誌などでしか聞いたことがないと、「“出会い系”化」とか「10代の若者の金融機関ブラックリスト入り」などなど、あまりよくないイメージを持っているのではないかと思うんです。まあ、「ガチャ」に代表されるような、ハンディパチンコ屋的な要素は確かにいかがなものか、と私も思うし本書でもその「射幸心」をあおる方式には疑問を投げてはいる。

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しかし、ひとつダメだからといって、全体を「拒否します」というのもどうかな、と思うんですよ。

本書ではまず、グリーとモバゲーの二大プラットフォームを取り上げ、具体的な数字を交えつつ、どういう経緯でゲーム業界はソーシャルゲームへシフトしてきたのか。ということを、説明しているんです。その上で、ソーシャルゲームとパッケージソフトの違い、そしてタイトルでもある「すごい仕組み」を解説していく流れですよ。

で、結局なにがすごいのか? そりゃ、ひとことでいうとユーザーの使う金額です。パッケージソフトの場合、一時のネオジオなんかをのぞけば、1万を超えるようなソフトは一般的ではないですよね。でも、基本無料のはずのソーシャルゲームだと、ひと月で何万という金額を1ユーザーが使ってしまったりするのですよ。
本書はこの現象をソーシャルゲーム万歳というスタンスでもなく、否定的な立場をとるわけでもなく淡々と分析していきます。

読み物として楽しいのは、おそらくソーシャルゲームが世界を救うみたいな話か、もしくはけちょんけちょんにけなす方だと思うのですが、そこはかなり冷静です。学問的です。でも、最終章。「今後の市場の展望」のところでは、いわゆる「ちょっといい話」も入っていて(ノンフィクション)、ゲームに対する熱い想いが感じられる1冊でした。


グリーと聞くと、mixiに負けっぱなしだった頃が思い出されますが意外な逆転劇が…

こうしてみると、人気ゲームって似ているよね

「ゲーム」と「物語」に関する考察より。物語が好きな人間としては考えさせられます

そしていよいよ、課金の合理性に話は進む

著者は「ビックリマンチョコ」を引き合いに、この種の問題は決して新しいものではないという