“幕末のジャンヌダルク”を描いた話題の1冊

小説・エッセイ

公開日:2013/2/6

八重の桜 〈1〉

ハード : Windows/Mac/iPhone/iPad/Android/Reader 発売元 : NHK出版
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:紀伊國屋書店Kinoppy
著者名:山本むつみ 価格:1,131円

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1月6日からNHKの大河ドラマとして始まった『八重の桜』。主人公山本八重が「幕末のジャンヌダルク」の異名を持つのは、その男気勝る生き方ゆえ。幕末の会津藩、鶴ヶ城城下に住む山本家。兄の覚馬が洋式砲術を学ぶことが、八重の人生にも大きな影響を与えてゆきます。

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当時の女性は薙刀を学ぶのが武術としては精一杯。そんな中、兄の射撃練習を見て興奮する八重。砲術だけでなく、新式銃の設計までにも興味を示し、幼少時から少女時代、今で言う「青春時代」を砲術に捧げるように成長してゆく姿は、単純に壮快の一言につきます。

幕末の時代の混乱の中で、性差も関係なく人生に情熱を持って生き抜く女性の物語は、現代女性にも大きな勇気を与えてくれるのではないでしょうか。

実は大河小説を久しぶりに読みました。日本の歴史的人物の名前や事変などすっかり忘却の彼方にあっての読書でしたが、八重の生き様にどんどん重要な人物が関わってきて、彼女の人生自身が大きく変化してゆく流れで歴史を追うことができるので、歴史に疎い人でも十二分に楽しめます。綾瀬はるかのきりりとした美しさはまさに原作の八重にぴったりかと。

原作では、東北訛もそのままで会話が続き、いいリズムを生み出しています。ドラマと連動しながら読み進めて行くのもおもしろいかもしれません。話題性でも、そして東北の復興を応援する意味でも、大賛成の1冊です。


アメリカの南北戦争で使われた新式銃が八重の人生を変えてゆきます

会津藩が舞台。東北の美しい風景がまぶたに浮かびます

幼いときに兄の射撃練習を見て以来、そのとりこになる八重

いつの時代もプロポーズシーンはいいですねぇ