格差社会を容認するのかしないのか。大きすぎる格差があるとなぜいけないのか

更新日:2011/10/7

階級社会

ハード : PC/iPhone/iPad 発売元 : 講談社
ジャンル: 購入元:電子文庫パブリ
著者名:橋本健二 価格:1,080円

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本を選ぶときの目安や基準は、誰でも何となく持っているのではないだろうか。私ももっている。ひとつは本のタイトルが奇をてらっていないこと。そして、たいてい本の最後についている参考文献が豊富なこと。

タイトルばかり大げさで中身がスカスカな本って、読者をバカにしてるよね。こういう本が多いので、最近は、派手なタイトルは逆に、「読まなくていい本」の目安として重宝している。

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また、学術書やそれに準じた本の場合だが、参考文献の多さは、本の中身にどれだけの裏付けや根拠があるか、本の執筆にどれだけの時間を費やしたかの証左でもあるだけに、読み応えのある本選びの目安になる。(ただ、電子書籍の立ち読みではここまでチェックできないのが残念)

この本は、以上のふたつのポイントを満たしている。そして、やはり読み応えがあった。どうして日本に階級が復活したのか、なぜ大きな格差の存在は問題なのか、なぜ、機会の平等を達成するだけではだめなのか。そして、本書は単なる問題提起だけではなく、じゃあどうすればいいのか、というところまで踏み込んでいるところがいい。

階級社会を容認するのかしないのか。それを決めるのはあなた次第。そして、階級社会でどう生きていくのか、または、階級社会をなくすべく、自分の生き方や働き方を見直すのか。今の時代、こういう視点を持つことは大切だと思う。

格差拡大はなぜいけないのか、機会不平等を言うだけではなぜ不十分なのか。私たちはこれからどうすればいいか、筆者が格差社会問題解決への糸口を示した第七章

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