現代の『まんが道』!? いや、まったく新しい“ザ・ジャンプ”なバク裂マンガ道

更新日:2013/2/12

バクマン。 カラー版 1

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : 集英社
ジャンル:コミック 購入元:BookLive!
著者名:大場つぐみ 価格:500円

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テレビアニメが第3シリーズに突入し、ますます好調な『バクマン。』。中学3年のときにコンビを結成した少年2人(1人は作画担当、1人は原作担当)が、人気漫画家になる夢を実現させていく、まさに“ザ・ジャンプ”な熱血青春コミックです。

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『週刊少年ジャンプ』で4年にわたって連載された『バクマン。』は、同じく「漫画家になるという夢を叶える」漫画である、藤子不二雄(A)の『まんが道』と比べられることがありますが、本作は“ザ・ジャンプ”的にスリリングな展開で、完全にエンターテインメント風。

冒頭から“ザ・ジャンプ”を繰り返していますが、もちろんワケがあります。次のとおり、特にジャンプファンにはたまらない設定なのです。

(1)2人の目標は『週刊少年ジャンプ』で人気漫画家になること
(2)巻を追うごとに「読者アンケート至上主義」など『週刊少年ジャンプ』の舞台裏がリアルに描かれる
(3)『週刊少年ジャンプ』の雑誌キーワードとして知られる「友情」「努力」「勝利」が痛快に表現されている

実際に本作が作画担当、原作担当のコンビで描かれていることも見落としてはなりません。作画の小畑健、原作の大場つぐみのコンビで生み出された前作は、なんとあの『DEATH NOTE』。ストーリーでも絵でも、グイグイ引き込まれます。

専門学校に始まり、大学でもマンガ学科の設置が珍しくなくなってきています。昨年は、「水木しげるロード」ですっかり人気観光地となった境港を擁し、“まんが王国とっとり”を打ち出す鳥取県、その教育委員会が、県立高校に「漫画学科」を設置する構想について県民から意見を募集したところ、賛否両論あり大きく議論が沸き起こりました。昔は「漫画を読むとバカになる」などといわれていたようですが、今ではすっかり日本の一大文化として根付いたことの裏付け、ともとれます。

未読の方はもちろん、紙の本で読破したという方も、デジタル着色によるフルカラー版のオトクな本作で、ぜひ再読を。


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(C)大場つぐみ、小畑健/集英社