水道橋博士が見た芸人という病に罹った藝人たちの世界

小説・エッセイ

2013/2/14

藝人春秋

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : 文藝春秋
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著者名:水道橋博士 価格:1,234円

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常人の住むこちらの世界「この世」ではなく「あの世」に生きる人々、「芸人という業のなかで芸人という病に罹っている」アツく、哀しく、そして優しい人々を、お笑いルポライターを自認する水道橋博士が熱を込めて騙る。

登場するのは、そのまんま東(東国原英夫)、甲本ヒロト、石倉三郎、草野仁、古舘伊知郎、三又又三、堀江貴史、湯浅卓、苫米地英人、テリー伊藤、ポール牧、爆笑問題、北野武、松本人志、稲川淳二ら、突き抜けちゃった芸人たち(ホリエモンも甲本ヒロトもいるけど)。
彼らのしょうもない武勇伝やとんでもないホラ話、そして死や父親との確執、障がいを持つ子どもの話など、前半の芸人列伝的な章も魅力的だが、やはり後半の甲本ヒロト、爆笑“いじめ”問題、稲川淳二らの章に博士のあのアナーキーな目を思う。「あの世」に生きる天才たちへの憧れ、リスペクト、そこに生きる自分の存在との距離感や戸惑い。

古いエッセイもあり、こんなことあったなぁと忘れていた自分に驚く。独身貴族だった博士も家庭を持ち、今や子煩悩芸人と呼ばれるようになった。隠世の感がある。いつだかテレビで家庭や子どものことを語る博士を見た時、この人は何かを信じたい人なんだな、確実な何かを探していたのかなと思った。結婚したいとかそんな安易なことではなく、デタラメの中にある人間の正直さと覚悟を見つけ、確かにあるものを見つけたかった人。しかしデタラメを試してぶつかって、そして永遠に見つからない人のなんと多いことか。本作には見つけたかった「あの世」が描かれている。そこが天国かどうかはわからないけど。


「そのまんま東」も今や立派な政治家先生。若い人はあのパンツ姿知らないんじゃない?

名言に心打たれます。「楽しいことは楽(ラク)じゃないんだよ」甲本ヒロト

「辛抱ってのは、辛さを抱きしめるってことだからな。今はひとりで抱きしめろよ!」石倉三郎

「どうらんの下に涙の喜劇人」「人生は舞台、あなたは主役」ポール牧

人に対する想い、北野武への想いが詰まってます
(C)水道橋博士/文藝春秋