がんばらないことをがんばる感動って? アニメも絶好調!

ライトノベル

公開日:2013/2/15

ガガガ文庫 ささみさん@がんばらない

ハード : PC/iPhone/iPad 発売元 : 小学館
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:電子文庫パブリ
著者名:日日日 価格:324円

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がんばらないことがモットーの萌え女子・ささみさんのがんばらない日常を描いた本作のテレビアニメが、1月から絶好調であります。日常系? ラブコメ? SFファンタジー? まさかのバトルもの?…フタを開けてみれば予想の斜め上をいきすぎるごった煮な展開に、驚かない視聴者はいないでしょう。

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本作の主人公であるささみさん(月読 鎖々美)がどれくらいがんばらないかというと、自分で着替えをしない、食事をしない、風呂にすら入らない、学校にも行かない、という具合。溺愛してくれているお兄ちゃんに全部してもらう。体まで洗ってもらう。あ、さすがにそんなお兄ちゃんでも学校に行かせることは困難なようで、一日中、自宅警備員な毎日を過ごしています。

序盤ではヲタ色全開の日常系ラブコメかと思いきや、徐々に「世界の改変」「怪異」「八百万の神々との関係」などSFファンタジー要素が強くなり、アクションバトルになだれ込んでいく。設定や序盤からの言動などがじつはすべて伏線となっている見事な構成に舌を巻くことうけあいです。ささみさん、がんばらないことをがんばりすぎ。

ちなみに、自宅警備員なささみさんは、学校に行かずひきこもりながら、「お兄ちゃん監視ツール」で本当にお兄ちゃんを警戒・監視しているわけですが、これにも理由があって。

ところで、文部科学省でも、青少年の「ひきこもり」については大きな課題となっています。このため、ひきこもり解決のひとつのアプローチとして有効な「体験活動」の格差是正などを進めていく方向で検討しています。

本作でも、ささみさんは望まずさまざまな事件に巻き込まれ、がんばらされる体験を強いられます。そして、ついにはひきこもりから…。がんばらないことで得られる感動を、ぜひ本作で。


バレンタインデーに惨劇が起こる

「お兄ちゃん監視ツール」で自室からお兄ちゃんを監視

同僚のつるぎ先生とのやり取りも、しっかり監視。ささみさんの一人称小説でもあり、お兄ちゃんの三人称小説でもある、実験的文体