江戸時代の人々の尋常ならざる食へのコダワリ満載です!

公開日:2013/3/2

江戸めしのスゝメ

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : KADOKAWA / メディアファクトリー
ジャンル:趣味・実用・カルチャー 購入元:BOOK☆WALKER
著者名:永山久夫 価格:650円

※最新の価格はストアでご確認ください。

みなさん、お早うございますコンニチハ今晩は。日本人は椎茸の美味さを知って初めて一人前と言えるのだ! と思う中國卓郎です。もちろん、子供の頃から椎茸が好きだった方々は想定外なので軽く流していただくとして…

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今から10年近く前、とある収録現場でベテランの役者さんが「江戸時代の寿司は今よりずっと大きくて、江戸っ子は2~3貫をちょちょいとつまんでサッと帰るのが粋だったんだよ」なんて話をしてくれました。

その後、自分の脳内に「江戸時代=寿司デカイ」と言う図式が刻み込まれ、寿司好きな自分はいつか何処かで江戸時代の寿司の復刻版を食べてみたいと思うようになったのです…と、そんな人間が本書を見逃すはずがありません! 「寿司は? ねえ! 当時の寿司は載っているの?」とワクワクしていたら冒頭にカラーページでドーンです。「うは! シャリがデケェ! そうそうこれこれ! 美味そうだわ~」なんて感じで他にも様々な「江戸めし」が紹介されていてツカミはバッチリです。

しかし、本書は江戸時代の料理の紹介とレシピをまとめただけの本ではございません。いや巻末にしっかりとレシピも掲載されていますけど、本書のメインテーマは「江戸時代の人々が持っていた食の知識の素晴らしさ」これです! もうとにかく「江戸っ子さんマジ、ハンパないっす!」ってなもんです。

例えば、当時の農民のあいだでは毎月1日、15日に小豆粥や小豆めしを食べる習慣があったそうで、これは小豆に多く含まれるビタミンB1そしてポリフェノールとアントシアニンが…なんつ~か良い感じに…と、そんな細かい事は知らなくても小豆を食べると身体の調子が良いから月に2回必ず食べる。そう! 実体験に勝る真実はないのです。そんな当時の人々が文字通り身体を張って学んできた、彼らの「当たり前」が本書には多数収録されています。その多くが現代に生きる我々には目からウロコな事だったりして非常に興味深いです。

また「食」にちなんだ当時の人々の川柳も多数紹介されているのですが、江戸っ子の食への凄まじい執念が可笑しくてなんともホッコリさせられます。

そしてなにより米、味噌、醤油、豆腐、漬物と言った普段、我々現代の日本人が当たり前に食べているものの素晴らしさを再確認させてくれる1冊になっています。ちなみに僕は読了後「これからは面倒くさがらず味噌汁の具材は三品にするのだ!」と思ったのです。


(諸説あるらしいですが)天麩羅の由来。洒落てますなぁ

魚が旨いと鮨になる。質実剛健な佇まいが素晴らしい

よく行くお店のメニューにあるんですが大好きです! サイコー!