彼女が生きていたら今の芸能界をどう斬った?

更新日:2013/3/26

小耳にはさもう

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : 朝日新聞出版
ジャンル:趣味・実用・カルチャー 購入元:BookLive!
著者名:ナンシー関 価格:540円

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あの人が今も生きていたらなぁ。私がそう思う人物の中のひとりにナンシー関がいる。家で消しゴムハンコを彫りながらテレビばっかり見ていたせいなのか、太りすぎが理由の心不全で39歳の若さで亡くなってしまったナンシー関

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私がもしナンシー関の友達だったら「あなたには長生きしてほしいからダイエットして!」と言ったかもしれないが、でもコラムもたくさん書いてほしいので「太ってもいいから家にこもってたくさんテレビ見て!」と言ったかもしれない。ま、それくらい彼女の書く文章が好きです。あ、もちろんケシゴムハンコの技術は秀逸。

現在にも芸能ライターやコラムニストはたくさんいるが、ナンシー関ほどの芸能コラムニストは未だ現れてはいない、と私は思う。ナンシー関の芸能コラムは、読者の共感をさそうとか感心させるとか、そういうところをもうちょっと超えていて、「この芸能人のことキライなんだけど何がキライなんだろう?」と自分でもわかっていない部分をズバリと言ってくれるような新しい発見と、それに伴う爽快感があるのだ。「わかるわかる」と「なるほど」が合わさった「確かに!!」という感じだろうか。

この『小耳にはさもう』は今から17年前に出版された本で、貴花田と宮沢りえの破局の話題からはじまり、皇太子と雅子妃の結婚などについても書かれている。今ではテレビで見なくなった人も何人かいるけれど、今現在も見かける芸能人のコラムにあまり古さを感じないのは、私たちが持ってしまった芸能人のイメージってほぼ変化しないということだろうか。それかナンシー関の分析力と表現力の賜物。

AKB48、マツコ・デラックス、キングコング西野、園山真希絵、加藤茶etc…彼女が生きていたら、一体どんな毒のある優しい言葉で今いるこんな芸能人たちを揶揄してくれたのだろう。そう思うと彼女が若くして亡くなってしまったのはとても残念で悔やまれるけれど、テレビから彼女が書いた芸能人たちが誰もいなくなってしまわない今のうちに、彼女のコラムを思いきり楽しもうと思う。


今もテレビで人気ものの芸能人から

テレビから消えてしまった芸能人まで

懐かしすぎる話題が満載
(C)ナンシー関/朝日新聞出版