それって本当に必要? 「ためない」、「使いきる」整理術を有元葉子が伝授!
更新日:2013/3/27
料理研究家の有元葉子さんの整理術を伝える1冊『使いきる。』。この本は、整理の仕方だけでなく、いかに快適に暮らし、気持ちよく生きるにはどうすべきかも教えてくれる「暮らし術」の本でもあります。
大掃除はせず、「掃除の時間」をもうけることもないという有元さん。それは、毎日ちょこちょこと、気がついたところを拭いたり吸ったりしていて、汚れをためないため、その必要がないから。汚れも、ものも、よけいなものはためない。お腹の中にも心の中にもためない。「入れたものがスムーズに流れて、循環しているのが、快適な体であり、快適な暮らし」というわけです。
まず、著者が伝授するのは「片づけ」の仕方。住みたい家をイメージし、いるもの・いらないもの見極めるそのやり方は徹底しています。「使うもの」しか持たないとし、マニキュアは1本だけ、持っているのは同じような服ばかりと、自分に必要なものだけを身の回りに置いていくのです。「目の高さより上のかご」の秘策、キッチンツールは「立てる」に限る、等の整理術は有元さんならでは。機能的かつ見た目もきれいで快適な空間のできあがりです。
第2章は家事について。「スタート」は何もない状態にするのが大切なのだそうです。1日の終わりには台の上に何もない状態にすることで、翌朝、すぐに作業にとりかかることができる。言われて見れば当たり前のこういったことがなかなか実行できないんですよね。冷蔵庫は通過点、仕事ができる格好&姿勢、スペースの「空き」の利用法、冷蔵庫は「開ける=拭く」等、すべての作業が滞りなく行われるには、どうしたらいいのかが、本書を読めば分かります。
掃除、メンテナンスにいたっては、ハンディタイプの掃除機を手に気づいたらさっとごみを吸いとり、汚れはささっとふきんで拭いていく有元さん。「そんなこと、私にはできそうにない」とつい音を上げそうになりますが、実行あるのみ。自分の暮らし方、生き方を再考するきっかけにもなる本書。ついつい忙しさにかまけて、日々なんとなく過ぎてしまっているなんていう方にもお勧めの1冊です。
有元さんと、機能的に収納された調理器具
目次の「片づけ」の章を見ると、「旅にガイドブックは不要です」とあります。必要なものだけをそろえる有元さんならではですね
「掃除」と「片づけ」をきっちり分けて考える有元さん。本書を読むとその理由が分かります
それにしてもきれいに収納されてますね。これにもちょっとしたコツがあるのです
有元さんが使うものはすべて、吟味して選ばれたもの
(C)有元葉子/講談社