【4/3アニメスタート】勾玉三部作の作者による“稀少な”日本神話&ファンタジー小説
公開日:2013/3/31
RDG レッドデータガール はじめてのお使い
ハード : PC/iPhone/iPad/Android | 発売元 : KADOKAWA / 角川書店 |
ジャンル:小説・エッセイ | 購入元:BOOK☆WALKER |
著者名:荻原規子 | 価格:567円 |
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出版の仕事をしていると、光の三原色「RGB」と間違えそうになるのですが、「レッド・データ・ガール」の頭文字をとった『RDG』がタイトルです。
タイトルの由来となっているのは、実際に国際自然保護連合「IUCN」が1966年から作成している「レッドデータブック」(=RDB)。絶滅のおそれがある野生生物の情報がとりまとめられています。ちなみに、学校でさかんな環境教育では、このレッドデータブックが紹介されたり、活用されたりしています。
さて、本作の主人公は、路線バスすら通らない自然豊かな山奥の神社で育てられてきた、中学3年生の女の子・鈴原泉水子(すずはら・いずみこ)。学校まではタクシーで往復するため、放課後に友人と遊ぶ時間が持てず、極度の人見知りで、自分に自信がない。地味な見た目。友人は数えるほどしかいない。そんな自分を少しでも変えるために前髪を切ってしまうところから、物語が大きく動きます。
じつは彼女こそが希少な存在であるレッドデータガール。山奥の閉鎖的な空間で外界から守られ続けてきたわけですが、泉水子が進路を切り開くため、ついに山を出ることになり…。
現代の日本に残る豊かな自然や、少年少女の微妙な心理を繊細に描き出す一方で、見えない“敵”がひたひた迫ってくる手に汗にぎる緊迫感。メリハリある作者の表現力が冴え渡ります。
大人気の児童文学作品『空色勾玉』をはじめとする勾玉三部作からのファンはもちろん、本格派の小説が読みたい方も、ぜひ本作で日本神話&ファンタジーの希少な世界を味わってみてください。
4月3日(水)より、テレビアニメ放送開始予定です。
【アニメRDG公式サイト】
本作の鍵を握る主要登場人物たちが各章のタイトル
冒頭に、タイトルの由来となっている「レッドデータブック」の説明。絶滅のおそれがある作中の存在とは、もちろん…
進路で迷う泉水子。もどかしい気持ちにさせられます
出会った男の子・深行からふいに出た気になる言葉「…どうしてこれがーこんなのが、女神だって言えるんだ」。“女神”とは?