熱い男の生き様物語を、学園舞台のライトノベルで!

ライトノベル

公開日:2013/3/29

スクール・デモクラシー!1

ハード : PC/Android 発売元 : 講談社
ジャンル:ライトノベル 購入元:BOOK☆WALKER
著者名:吉村夜 価格:525円

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デモクラシーですよ。民主主義です。で、ライトノベルだからスクール。学園が舞台の民主主義の話なんだろうなと思って読み始めます。

ちなみに、多くのライトノベルが当てはまるかと思うのですが、読むときに「舞台」「~もの」「バトル」の3要素を意識すると、話に入っていきやすくなります。本作だったら「学園」で、「生徒会もの」で、「全校投票の結果を争う」という構図ですね。

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今、構図のところで書いちゃいましたけど、この物語の骨は、ふたつの生徒会が秩序と自由という軸で対決するというものです。
とはいっても別に中二的な暑苦しい話ではないし、冷めた大人の意見でもありません。

演説のシーンは熱く、ライトノベルらしからぬ長文が続くのですが、読みにくさはないです。その演説に至るまでの心理描写がしっかりしているからでしょう。また、最近のライトノベルで多いのが主人公のひとり語り(一人称)タイプですが、本作は各章ごとに視点を変えて、上手に群像劇にしてあります。神視点にも劣らない自在な状況説明と、メインとなる登場人物のブサイクロンと高天原さんの心の叫びや戸惑いの描写はきっちり使い分けられていて、不自然さはまったく感じません。

また、湯加減とでもいいますか。重要なバトル要素ですが、どのくらいシリアスにするのか、という点でも非常によいさじ加減だと思いましたよ。結構、生徒会同士の裏工作では部の予算が~とか、どろどろとした方に流れていきそうな雰囲気もあったのですが、最終的な目的が「校内への雑誌の持ち込みの是非を問う」ということで、防波堤になっているなと読めました。

底抜けに明るい話とか、おバカな話も好きですが、萌えだけじゃなくて燃え要素をきちんと押さえた作品ですよ。


ヒロイン高天原さんとブサイクロンのファーストコンタクト

視点が変わる前には、必ず視点人物の矜持を表す言葉が入りますよ

これがカオス生徒会のメンバー

ラノベなのに改行なしでどんどん話すよ!

熱いです。北斗の拳とかのなにかですね