『ドラゴンヘッド』の望月峯太郎による、先駆的な「ストーカー」恐怖コミック

公開日:2013/4/2

座敷女

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : 講談社
ジャンル:コミック 購入元:eBookJapan
著者名:望月峯太郎 価格:540円

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日本国憲法でも尊重すべきものとされている「基本的人権」によって、私たちは堂々と人に自分の気持ちを伝えることができますが、同時に相手の基本的人権も守らねばなりません。例えば、相手を想うあまり付け回しにまで発展することがあるストーカー被害に悩む人はまだまだいます。

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唐突になんの話だ、と思われたかもしれませんが、今回は「ストーカー」をテーマにした激怖コミックの紹介です。ただのストーカーコミックではありません。「ストーカー」という言葉が広まる前にストーキングをモチーフにした、先駆的な作品です。

作者が『ドラゴンヘッド』の望月峯太郎ということで、もしかしたらストーリーの気持ち悪さが想像できる人がいるかもしれません。本作でもやはり、人の闇がこれでもかというくらい不気味に、生々しく描かれています。

アパート住まいの男子大学生が主人公。ある真夜中、隣部屋のドアが何度も、ドンドン、ピンポンと鳴らされている。様子を見ようとドアを開けて、女と目があったのが運の尽き。壮絶なストーキングが始まり、生活が破綻に向かいます。この、日常と非日常の紙一重感がリアルで怖い。

とことん正体がわからない女の存在も怖いのですが、知らない間に電話番号が知られていたり、合鍵が作られていたりと、“あるある(なのかもしれない)”と思わせるストーカー行為に、最後まで鳥肌がたちっぱなし。深夜に読むものではありませんでした。酔っぱらいが間違えてウチのドアを叩いた瞬間を忘れません。

ちなみに本作のストーカー女は、異常に忍耐強かったり、100メートル10秒を大きく切って走ったり、いくら殴る蹴るをしても起き上がってくるゾンビ性をもっていたりします。この世のものではないんじゃないのか、とすら思わせます。

あからさまに霊やモンスターが出てくる怖さとは違った、ジメッと気持ち悪い恐怖を、どうせなら深夜にどうですか?


ある真夜中。隣部屋の様子を見ようとドアを開け、目が合ったのは…

まさか あの女か!? なんで(電話)番号を!?

どういうことだよ!? なんで合い鍵なんか持ってんだ?

そしてこの表情である。ジワジワくる恐怖…!
(C)望月峯太郎/講談社