アニメみてない。ミリタリー知らない。でも大丈夫!

ライトノベル

公開日:2013/4/9

ガールズ&パンツァー

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : KADOKAWA / メディアファクトリー
ジャンル: 購入元:BookLive!
著者名:ひびき遊 価格:463円

※最新の価格はストアでご確認ください。

さて。ノベライズです。はじめにアニメありきの作品ですので(コミックが先行ですが)、どんな風に活字に落とし込んでいるのか、楽しみながら読ませていただきました。

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結論からいうと、とてもアニメに忠実な展開です。あとがきで著者自身が語っているように、6話までの話をなぞっている形式です。視点は西住みほちゃんから武部沙織ちゃんに変更されているものの、話が大きく変わるわけではなく、女子高生がたしなむ戦車道という競技がある世界での学園ものです。

と書いてしまうと、さも簡単なもののように思われるかもしれません。でも、ライトノベル原作のアニメで、原作忠実なのはわかるんですが、逆って難しいですよ。ましてや売りは実在した戦車が、実在する街(大洗)で動き回ることなんですから。それを文字でどうこうしろって言われてもねぇ、と思いました。

でも、肝心の試合シーンはなかなか想像力をかき立てられる文章で、しっかり各車両の動きや作戦が描かれていますよ。きっと、ミリタリー好きなんでしょうね。試合(つまり戦車戦)シーンのテンポの良さは飛び抜けています。

もうひとつ。ノベライズの難しさだと思うのですが、この本で初めて『ガ―ルズ&パンツァー』の世界に触れる人も考慮しなければならないということ。まったくの異世界を書くより、ズレている世界を書く方が難しいのかもしれません。本作では、戦車道に詳しくない沙織ちゃんに語らせることでその辺を書き切っています。これはこれで、この世界を知るよい方法だったのですが、欲を言えばまったく別の切り口から書きだしてみてもおもしろいものが読めたかな、と。

そんな風に、「もっと読ませて!」な読後感の人気アニメノベライズでした。


キャラクター表を見ておくと、アニメを知らなくても入っていきやすいと思いましたよ

この世界を表すひとことですね

一人称小説なので、車長が社長になったりしています…

アニメが基準の人物設定なので、キャラの書き分けは大変だなぁと思った次第
(C)島田フミカネ、ひびき遊/メディアファクトリー