研究者が犬死に覚悟で農業の実態を記す―後世への「詫び状」

ビジネス・社会・経済

2013/4/21

日本農業への正しい絶望法

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : 新潮社
ジャンル:ビジネス・社会・経済 購入元:BookLive!
著者名:神門善久 価格:648円

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近頃の農業ブームは明るく好ましいニュースのように私には映っていて 、私自身も「いつか田舎暮らしをして、野菜なんか作っちゃたりして」なんて思っていましたが、とんでもないことでした。私みたいな者が仮に土地を持ち、見よう見まねで農業に手を出せば、土をダメにした挙げ句、虫や病気を発生させ、回りの農家にまで被害が及ぶようなことになったかもしれません。

そもそもそういうことがないように農地には決まりごとが多くあります。が、違法な転売や別の利用をして補助金をもらう等々ということがあとを絶たず、その被害は作物のみならず環境破壊にまで影響します。その他にも、後継者不足の真実や政治的なことまで問題は山積み。正直農業や農家というものが、こんなにも暗くお金にまみれたものだとは思いませんでした。

また「生産者の顔写真を貼っている作物は、安心・安全でおいしいと錯覚している消費者は少なくない」とあり、私もまさにそう思っていたのですが、それが「名ばかりの有機栽培」で、大半は自然環境に悪く食味も悪いというからびっくりです。品質が悪くスーパー等に置けない不良品を、品質管理の甘い直売所に持って行き、直売所を“ごみ箱”と呼んでいる農業者もいるとか。

そんなことも知らずに有難がって買う我々。そんな舌が愚鈍化した消費者にも問題があると指摘します。その他に放射能の風評被害問題もあります。こんな様々な角度で問題があり、しかも個人ではどうしようもないレベルの問題です。まさにタイトルにあるように絶望的に思えます。

解決策もこの本には書かれていますが、全国民が一丸となって協力しなければ叶わないことに思えます。ただ、このような現実があるということは知っておいてよかった。いかにマスコミがイメージを操作しているかがわかります。農業にこれから関わろうという人は知っておいた方がいいでしょう。農家のよそ者に対する考え等、知らないと損をすることもありますし、農業に対する心構えも持てます。

そしてひとりでも多くの“技能集約型農業”(いわゆる職人型)をする人が育つことを願っています。


農業者のお手本となるべき人物は今は亡き人…

耕作技能が低下すると災害にも弱くなる

技能集約型農業が唯一、日本農場を救う

海外に対する競争力

満州ブームと同じ末路をたどる可能性
(C)神門善久/新潮社