「元気に生きていこう!」たくさん花からもらう明日へのエネルギー

こうの史代

2013/5/6

街角花だより

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 : 双葉社
ジャンル:コミック 購入元:eBookJapan
著者名:こうの史代 価格:500円

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戦争と原爆をテーマに強烈なメッセージを読者に訴えかけ、映画化もされたコミック『夕凪の街 桜の国』の作者・こうの史代のデビュー作。花と、クスっと誘う笑いと、ホワっとした温かみに溢れた情緒的な1冊です。

舞台は小さな花屋。おとなしくてなかなか天然な店長・うららと、姉御肌で少々ガサツなバイトのりんによる掛け合い漫才のような楽しいやり取りを中心に、ときに起こる花に関するちょっとした事件が、読者をほんわか、しんみりとさせてくれます。

登場人物は主にうららとりんの2人。しかし、忘れてはいけないのが、“花”の存在です。作中、ほとんどのページに、何らかの“花”が描かれています。主人公は“花”だといいたいくらい。うららとりんが見せる喜怒哀楽の豊かな表情と、トーンを使わず細かい手描き線で描かれる生き生きとした花。これらが、強烈な生命力を感じさせます。

“花”というと、よく絵本などで擬人化されて登場したり、花畑が舞台になったりします。生命力を体現するものとして描かれることが多いのではないかと思います。作者の代表作『夕凪の街 桜の国』でも、やはり人間の生命について掘り下げられています。「生命」というテーマに着眼してこのデビュー作を開いてみると、きっとファンもまた新しい発見があるはずです。

りん 「店長は切り花を可哀そうだと思ったことはないんですか?」
うらら 「ただ長くて穏やかな人生と短くてもみんなに愛されるぱっと華やかな人生とどっちがシアワセだと思いますか?」

作者の生命に対する見方が、うららとりんによる会話の随所に見られます。
花がますます好きになる1冊。「花が好き」という方はもちろん、「ほっこりできる時間が欲しい」「明日を元気に生きるエネルギーが欲しい」といった方なども、ぜひ。


舞台は小さな花屋

ほとんどのページで登場する、生き生きとした花々

花言葉で物語が進むユニークな「街角花語り」
(C)こうの史代/双葉社