【アニメ放送中】 ゆるキャラ祭りのような、悪魔探偵事務所物語

公開日:2013/5/10

よんでますよ、アザゼルさん。(1)

ハード : PC/Android 発売元 : 講談社
ジャンル:コミック 購入元:BOOK☆WALKER
著者名:久保保久 価格:525円

※最新の価格はストアでご確認ください。

タイトルからして、シンプルイズベストというか。あまり凝っていない。いい意味で力が抜けていて好きです。ライトノベルっぽいタイトルですが、ギャグ漫画です。

advertisement

本作、『よんでますよ、アザゼルさん。』は、早瀬田(誤字にあらず)に通う女子大学生、佐隈さん視点で描かれる悪魔を使役する探偵事務所の物語…。のはずです。なんだかこういう風に書くと、サイコドクターとデスノートを混ぜたような話なのかな、と思うのですが違います。

まず依頼内容は、どうでもいいような話ばかりです。一応、流れとして依頼は受けますが、無事に解決することはありませんし、事件を解決しようという意志はとても脆弱。適当に笑っているうちに次の話に進んでいます。しかも依頼者となるキャラクターデザインの力の抜き具合といったら、時々緻密に描かれる悪魔の実の姿などと比べると悲しくなるほど。さらには肝心の悪魔はおどろおどろしくなく、もうほとんどゆるキャラ状態です。悪魔の能力も、いい具合に適当です。

じゃあ手抜きなのか? というと、そうではなくて。久保保久さんは作品との距離感が凄くいいんだなと思ったんですよ。ギャグ漫画を継続するのは難しく、簡単で確実な方法としてバトルなどに走ってしまうのはよくあることです。でも、そういう暑苦しい展開はないです。2巻目以降で作者や編集者が出てくるメタネタはやっているのですが、ここでも丁寧な部分とばっさり切る部分の使い分けが素晴らしく、気分よく読み進められるんですね。

力作なんだけど、読者をいっぱいいっぱいにしてしまわない。どこまで本気なのかが、まったくわからない。そういう不思議な脱力具合は、才能ですね。


最初の依頼は定番の浮気。だけど、この絵でいいの? ってな具合です

メインとなる2人の悪魔。やっぱり犬とペンギンのゆるキャラにしかみえない…

悪魔の力を借りちゃったストーカーは…

その力の制御まで頭回らず、罰を受けるのでした

ちなみに、アザゼルさんの本当の姿はこんなです。ちゃんと悪魔しています!