今のラノベに求められているものをギュッと詰めました!

ライトノベル

公開日:2013/5/13

ウチの彼女が中二で困ってます。1

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : KADOKAWA / 富士見書房
ジャンル:ライトノベル 購入元:BOOK☆WALKER
著者名:日の原裕光 価格:450円

※最新の価格はストアでご確認ください。

この、『ウチの彼女が中二で困ってます。』は富士見書房のファンタジア大賞、銀賞受賞作です。
「なんだ、大賞じゃないんだー」と思ったあなた。甘いですよ。読むとわかるのですが、これってはじめから銀賞とかを狙って書いたのではないか? と疑いたくなるような作品なんです。

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まず、幼なじみ、お嬢様、妹(キャラ)に囲まれるハーレム的な人物配置。それに、中二というキーワードを絡めた異能バトル。だめ押しで、これ以上ないくらい読みやすい文章。なんと申しますか、2013年現在のライトノベルの教科書みたいな作品なんですよね。

作者はライトノベルが大好きで、毎日食後に欠かさず読んでいるような人なのか、それとも市場調査が得意なのかはわかりません。でも、その知識を破綻なく作品に落とし込める能力は凄いです。

改めて読み返すと、取り立てて目立つところはそれほどありません。中二病という単語の扱いが、残念な人ということではなく、本当の特殊能力を持っている人を指す言葉として出てきたりする点はひねってありますけど。

大まかな流れとしては、能力に目覚めた主人公の不知火慧が能力者ばかりを集めた学園に転校してきて…。というところからスタートして、おいしいイベントがいくつか発生して、メインヒロインの陽成美ちゃんをはじめ、まあヒロインたちにモテモテになるという展開です。とてもふつうです。でも圧倒的に読みやすくて、嫌みがない形で提供されたらうれしいですよ。

中堅と呼ばれるようなポジションの作家が、長い経験で作り上げるような作品が新人賞に入ってたら、そりゃ受賞もするよ。そんな、トレンド全部盛りみたいな欲張り作品でした。


クールでありたい。という気持ちが、主人公、慧の中二病

この作品の中二病は、一般的な意味(伊集院光の定義)とは違って、ホントの能力者

1ページまるまる使っての説明がある

メインヒロインの陽成美ちゃんとヒロイン絵麗奈のゲーム対決

それにしても、慧のビジュアルを絶対に出さない徹底ぶりはさすがだ