衝撃の問題作! 第13回電撃小説大賞最終選考で物議を醸したその正体とは…

ライトノベル

2013/5/21

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 幸せの背景は不幸

ハード : PC/iPhone/iPad/Android 発売元 : KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
ジャンル:ライトノベル 購入元:BOOK☆WALKER
著者名:入間人間 価格:578円

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色々とぶっ飛んでいる作品だと聞いていたので、どんな内容なのかと軽い気持ちで手を出してみれば…即頭部をガァンと殴られたような衝撃を受けました。キャラの設定が重かった。なんと主人公とヒロインの「みーくん」と「まーちゃん」が8年前に起きた誘拐事件の被害者で、その時のトラウマによって精神に異常をきたしているのです。本作の売りは間違いなくみーくんとまーちゃんの壊れっぷり! おののきつつもページをめくる手が止められません。一気に最後まで読んでしまいました。

話の舞台は現代日本の田舎町。現在、街では連続殺人事件が発生し、さらには小学生の兄妹誘拐事件までもが発生しており、街の空気はピリピリしている…という始まりでした。話の開始早々みーくんがまーちゃんをストーキングし始めたことには驚きましたが、何より驚いたのはまーちゃんが小学生兄妹誘拐事件の犯人だった件です。

「まーちゃん」「君、あの子達を拉致っちゃった?」「うん!」
答えるまーちゃんは子供っぽくて元気いっぱい。一瞬微笑ましく思いましたが内容が全然笑えません。誘拐事件なんてしちゃって一体全体この2人はどうなってしまうのか、と気づけば読む手が止まらなくなってしまいます。

本作ではホラーとミステリーの絶妙な歯車の噛み合い、面白さがさらに増しています。みーくんまーちゃんのキャラクターは一種のホラー、そしてまーちゃんが起こした誘拐事件の裏が明らかになっていくと同時に、進行していく殺人事件がミステリー。そのどちらにも根幹に8年前の誘拐事件が根ざしています。

しかし終始猟奇的な雰囲気で終わるだけではなく、途中で少し触れる「幸せとは」という問いには、少し考えさせられてしまいました。初見だと流していた、サブタイトルの「幸せの背景は不幸」という言葉が、読後だと感慨深く思えてきます。話の内容や癖のある文体で読む人を選ぶ作品だとは思いますが、そのぶんハマる人はどっぷりハマってしまうであろう作品でした。


天真爛漫に誘拐を肯定するまーちゃんも壊れていますが、それを褒めてとねだられると褒めてしまうかもしれない、というみーくんのぶっ飛び方も中々です

まーちゃんが誘拐した兄妹とみーまーの食事シーン。ほのぼのしてる…と思ったらそんなことはなかった! まーちゃんの行動の突飛さには驚かされるばかり

みーくんの鼻血を拭ったパジャマをみて恍惚と笑うまーちゃん。さすがのみーくんも冷や汗