生魚を齧り、寝てケンカして恋して―ありのままの猫の島暮らし

公開日:2013/5/25

ハートのしっぽ―岩合光昭写真集

ハード : Windows/Mac/iPhone/iPad/Android/Reader 発売元 : 小学館
ジャンル:趣味・実用・カルチャー 購入元:紀伊國屋書店Kinoppy
著者名:岩合光昭 価格:756円

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猫(動物)写真家と言って、先ず始めに名前があがるのが岩合さんなのではないでしょうか? 私は猫が好きなだけで、写真の良し悪しはわかりません。ただ、こんなに猫達が油断しきっていろいろな表情を見せるのは、写真の技術だけではなく、岩合さんの人柄が大きく関わっているのだと思います。

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私が実家の猫にカメラを向けると、とっても嫌そうな顔をします。それまでおもちゃで夢中になって遊んでいたとしても、ひとたびカメラを向ければテンションダウン。す~っと何処かに行ってしまうのです。デジカメなので小さく音も出ず、フラッシュもたいていないのにこの嫌がりよう。

猫はカメラのレンズが目に見えて、それを向けられると怖いのだと聞いたことがあります。デジカメの小さなレンズでもダメなのに、プロ用のあんなに大きなカメラで狙われて、いくら島の穏やかな暮らしとはいえ野良猫があんなに自然に、ときにはむしろ張り切って撮られているのが不思議でなりません。プロなのだから当たり前…と言われるかも知れませんが、岩合さんには何か言葉では言い表せない、猫との絆があるように思えて仕方がないのです。

この写真集は表紙の左側の“ハートのしっぽ”を中心に、田代島での猫達の生活を写したもの。島の人も猫達を可愛がっているらしく人間になついてる様子が伺えるものの、その姿は思ったよりワイルドでした。 生魚にかぶりつくなんて日常のこと。それもイワシとか小さいものばかりじゃなく、かなりの大物を得意気にくわえてたりして、思わず「それ全部食べられるの?」とツッコミを入れてしまいます。 もちろん、ほのぼのシーンや仔猫達のお茶目なシーン、島の情緒ある景色と一緒の素敵な写真も楽しめますが、生々しく生きている、野生のようなものも感じさせてくれます。

この本は写真1枚1枚に岩合さんのコメントがついているのですが、そのコメントも楽しみのひとつです。写真自体が面白くツッコミを入れることも多いのですが、このコメントで一気に笑ってしまうことが多々あります。写真集でそういうのはおかしな話かも知れませんが、実際声にだしてツッコミや笑いが起こってしまう。つくづく猫って良いなぁと思える1冊です。


写真もかわいいのですが、「生まれて初めてのバンザイ」という言葉のチョイスにきゅん♪

ワイルド! あの魚、ウチの猫が見たら、たぶんご飯と思わない…

忍者のような仔猫のフットワークに思わずクスリッ

目を奪われた1枚。田代島、行きたいです

この懐きようは何なのでしょう! Hideko Iwagoとあるので、おそらく奥さんの1枚