『竹光侍』の原作者初のラノベ! 女子高生がアーマード・スーツを着て地下ファイト!?
更新日:2013/6/13
テストが始まる前に「名無しの権兵衛は0点にするぞ。先に名前を書いておくように」と義務教育でいわれてきたため、「名無しの権兵衛」というとどうしてもネガティブなイメージがあります。ちなみに、「名無しの権兵衛」は英語で「ジョン・ドゥ」。ありふれた男性名のジョンが用いられます。女性の場合は「ジェーン・ドゥ」。
本作は、主人公の女子高生がアーマード・スーツを装着し、「スレンダー・ジェーンドゥ」のリングネームでアツい地下ファイトを繰り広げる、近未来SF学園ラブコメディです。
本作の主人公・結々子は実生活では運動音痴。しかし、じつは実家が拳法道場を開いており、身体能力を補うアーマード・スーツを着ることで無敵のファイターになれるという素質を持っていました。
ところで、アーマード・スーツとは、人体を流れる微弱電流で稼働する強化スーツであり、「電離層大厄災」というカタストロフによって精密機器や通信機能が使えなくなってしまった近未来で開発され、地下格闘興業などで用いられています。
このあたりの、意外性に富み、グイグイと引き込む設定はさすが。
本作の作者は、ファンに絶大な人気を誇るコミック『竹光侍』(作画:松本大洋)の原作者である永福一成。自身初のライトノベルです。
電離層の大厄災という設定が妙にリアリティを感じさせ、SFファンの琴線に触れまくりなのですが、電離層うんぬんでなくとも、エネルギー問題から精密機器や通信機能が失われる可能性は払拭できないのではないでしょうか。そんなとき、自分を化かしてくれるアーマード・スーツのような存在が登場したら。リング上で学業の合間をぬって密かに稼げるとしたら。ジェーン・ドゥやジョン・ドゥのような覆面ファイターが全国に出現し始めるのかもしれません。完全な妄想ですが。
女子高生が主人公の近未来SF学園ラブコメ&スーツバトルというまったく新しいラノベながら、やたらとリアリティを感じさせる本作を、ぜひ。
運動音痴だが運動神経は良いと自認している結々子
電離層大厄災が起こった世界の描写がリアル
暗い過去を持つ結々子が、迫力満点の装甲肉弾戦でガチバトルを繰り広げる