世界の存亡をかけた死神たちの恋と戦いを描く

コミック

2011/9/27

ヴァージンリッパー (1)

ハード : PC/iPhone/iPad/WindowsPhone/Android 発売元 : フェアベル
ジャンル:コミック 購入元:eBookJapan
著者名:藤田まぐろ 価格:400円

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黄泉城の新人死神・ヒカリ。厳しい任務をがんばっているものの、反省の日々が続いていた。そんなヒカリの心の支えはセクハラ気味だけど優しい司令官・リョウマの存在だった。しかし、あるとき、閻魔大王が所有している、人間の運命を左右するアカシックレコード(A・R)が盗まれてしまう…。

死神の正体はさまざまな作品でさまざまな要因で描かれていますが、今回は現世で自殺をして死んでしまった者が死神となっている。本来は地獄行きとなるのだけれどその中でも、条件を満たした者だけが死神になり、罪を償えば天国へ行ける、というシステムになっているらしい。

キャラクターたちがかわいらしいので、つい忘れてしまいそうになるが、自殺という死に方を経て死神になっているだけあって、それぞれが抱えている事情は重く、暗い。

コメディっぽい描き方がされているけれど、その分、暗い部分がズシリと重い印象を読者に与える。
誰も死んだあと、自殺したあとのことなんて分かるはずもない。しかし、遠回しながらも、命の重さを訴えられているような気分になってくる。

また、乙女の心を揺さぶるのが、主人公ヒカリと、ヒカリが想いを寄せているリョウマが早い段階で敵対関係になるということ。敵との恋はなんとも読んでいる者を切なくさせるもので…。その関係に信念や何か曲げられないものが関わってくると更に切なさは増す。本来ならば、心が通じ合った時点で成就するべき恋が、想いだけではどうにもならない障害によっていつまで経っても結ばれない。

遠距離恋愛と違って、会えない時間が長くなればなるほど、相手への気持ちが募っていくのだから不思議なものである(とはいえ現実世界ではなかなかそういう体験はないので、実際その状態になるとどうなると分からないが)。

恋の展開と共に気になるのがA・Rの存在。小さな石だがA・Rは世界を壊す要因にもなりえる。果たしてヒカリは恋も世界の平和も手に入れられることができるのか?
ファンタジー好きにも、恋愛モノが好きな人にも楽しめる作品である。


つらい任務にもいつも笑顔のヒカリ。キャラたちの特徴ある衣装も見どころのひとつ

自殺者は本来は地獄行き。死神になれる条件というのも気になるところ

ヒカリが想いを寄せるリョウマ。若いのにセクハラの仕方がひと昔前のおっさんのよう…

そして物語の鍵を握るA・R (C)藤田まぐろ/fairbell