濱田岳&岡田将生W主演映画『偉大なる、しゅららぼん』は、万城目が描き出す、日本版ハリーポッター!?

小説・エッセイ

更新日:2017/11/9

偉大なる、しゅららぼん

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : 集英社
ジャンル:小説・エッセイ 購入元:BookLive!
著者名:万城目学 価格:1,300円

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エンドレスリピートする変わり映えのしない日々の中で、「どうして私は普通の人になってしまったんだろう」と空しくなる。”小さい頃は神様がいて、不思議に夢を叶えてくれた” なんて歌があるが、本当に昔はその通りだった。「自分には特別な力がある」「特別な存在なんだ」と本気で信じていたはずだ。そんな時代があったことを万城目学の作品は毎回思い出させてくれる。自分の中に埋没していた特別な力を呼び起こしてくれるような気さえする。だからこそ、こんなにもワクワクさせられるし、ページを捲る度に手に汗握るんだろう。

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本作『偉大なるしゅららぼん』は、琵琶湖畔に住み「湖の民」として不思議な力を継承する一族同士の対決の物語だ。『鴨川ホルモー』『プリンセス・トヨトミ』で名高い万城目学が、デビュー当時の作風に立ち返って書いた作品であり、濱田岳と岡田将生のダブル主演で2014年春に映画公開も決まっている。

主人公・日出涼介は一族に与えられた不思議な力の修行をするため、高校入学と同時に湖東地方にある日出本家のお城に下宿することになった。本家の跡継ぎで同い年の淡十郎には毎日振り回されてばかりだ。迷いそうになる程広い、日出本家の本丸御殿。高校までの淡十郎との舟での通学。奇妙な赤い色の制服。それに加えて、涼介は入学初日にクラスメイト棗広海とトラブルを起こしてしまう。涼介は知らなかったのが、実は棗家も琵琶湖から特殊な「力」を得ている一族であり、1000年にもわたり、琵琶湖を舞台にいがみあっていた因縁の関係だった。両家の因縁の戦いが巻き起こる中、さらなる試練が涼介達に襲いかかる…。

日出涼介と棗広海のライバル関係は、日本版ハリーポッターと言った印象を受けた。頭脳戦を交えながら、普通の人は持たない特別な能力を鍛え、戦ったり、助け合ったり…。能力を持つが故に、涼介達は運命を狂わされていく。
日常にハラハラ、ドキドキが足りない人、必読の1冊。


『偉大なるしゅららぼん』は琵琶湖を巡る物語

ライバル棗広海との最悪の出会い

日出本家の跡取り淡十郎に「俺の供にしてやる」と言われてしまう

威張ってばかりの淡十郎だが、同じクラスの女の子に恋に落ちる

ライバルである棗広海と、涼介に与えられる試練。2人の運命はいかに!