しあわせな人生を得たいあなたに！成功とは何かを考えるやさしい哲学書

シューペンターという大変有名な経済学者がいました。経済学部出身の方は授業で学んだでしょう。この先生の若いころの目標は「経済学者として有名になり、お金持ちになってヨーロッパで一番きれいな愛人を持つこと」という実に分かりやすい夢でした。

ところが亡くなる直前に、若きドラッカーがシューペンター先生と話すと「優秀な経済学者を何人育てられるかに最も興味がある」との言葉を残して逝かれました。人生のゴールは、若い時と、年をとってからは変わりますが、シューペンター先生にとっての人生のゴールは、自分が影響を与えた優秀な人材を育てたことにありました。

本書で著者は、競争社会において、勝者になれるのはごく少数であること、そして勝者になっても、成功の喜びを感じることができないことについて解説しています。競争社会の発想では、勝者でも敗者でも喜びを感じられない。そうであれば、どのようなことが人生の成功といえるのでしょうか？それは考え方の転換にあると指摘しています。その詳細は是非、ご一読ください。

著者の田坂さんは講演でよく石切り職人の話をされます。一人の石切り職人は教会を建てるのに、本当に大変だといってぶつぶつ仕事をしています。もう一人の石切り職人は、実にうれしそうに仕事をしています。なにがそんなに楽しいのですかとたずねると、「皆が幸せになるための教会をつくっていることが楽しいのさ」と答えます。仕事の喜び、働きがいについて、説かれています。

東大の理系出身ながらコンサルティング会社を経て、いまは大学教師として生き方を教える異色の経歴の著者の人生論、一読をお薦めします。

競争社会では、勝者になかなかなれない、でもその勝者もしあわせではない！

勝者になっても、勝負におわりはなく、精神的な荒廃、人間関係の疎外によって幸せでなくなります

競争でなく、自分のたてた目標！を目指せば幸せになる第１歩です