甥の誘拐に時間を止めて対抗! 楽勝のはずが、誘拐犯も同じ超能力を持っていて…

公開日:2013/8/14

刻刻(1)

ハード : PC/iPhone/Android 発売元 : 講談社
ジャンル:コミック 購入元:BookLive!
著者名:堀尾省太 価格:540円

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「マンガ大賞2011」ノーミネートのタイムストップSFマンガ『刻刻』は、水木しげる先生や小説家の伊坂幸太郎氏が絶賛したという作品です。特に伊坂氏は「最近、“何か面白いマンガありますか?”と質問されると真っ先にこの作品のことを口にします。質問されなくても、自分から“すごい漫画やってます”と言い回る始末です」というコメントを残すほどの絶賛ぶり。先の読めない展開でぐいぐい引き込まれる話の流れは、まさに目隠しジェットコースター。一度読めば病みつきになること確実です。

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佑河樹里(ゆかわ じゅり)は現在失業中の28歳。隠居の祖父と絶賛ニートを満喫中の父と兄、という三代ダメ男に囲まれながらもごくごくありふれた生活を送っていました。しかしそんな日常は唐突に崩れ、甥が兄と共に誘拐されてしまいます。身代金の引渡し時刻に間に合わない大ピンチに、祖父が重い腰をあげて示した打開策…それは、なんと「超能力で時間を止めること」でした。時間が止まった「止界」の中で動けるのは、「止界術」を発動した祖父と樹里と父だけ。これなら簡単に誘拐犯から甥と兄を取り返せる――はずだったのですが、なんと誘拐犯も止界の中で動く術を持っていたのです。集団で襲ってくる誘拐犯達の攻勢に父が捕まり、さらに大ピンチに…しかもこの「止界」には「管理人」と呼ばれる謎の化物なんかもいたりして…

1巻はひたすら世界が広がり次から次へと新しい謎が出てくる展開で、私はひたすら「えっ」「ええ!」と驚くばかりで何が起こっているかがわかりませんでした。誘拐犯達の目的も、そもそもなぜ佑河家にこのような止界術という超能力が代々伝わってきたのかも、誰がなんの目的で止界術を作ったのかも、管理者とはなんなのかも、誘拐犯達がどうして止界の中で動けるのかも、全部わかりません。読み進めていくと少しずつ明らかにされる謎があればさらに深まる謎あり! これからどうなっていくのか全く先が読めない、ぐいぐい引き込まれていく作品でした。


甥が誘拐された! 兄に迎えに行かせた樹里は責任感を感じて自分が身代金を持っていくと主張します。ですが、身代金を用意しようにも車がないのでは銀行で下ろすこともできず…絶体絶命に!

止界でゆうゆうと兄と甥を救出…かとおもえば、何故か止界の中でも動ける誘拐犯達がいて…!?

「管理人」は「止者(止まった時間の中で動けない者)」への殺意に反応して出現します。その原理、存在理由に関しては一切が不明
(C)堀尾省太/講談社