セカイ系がわかるとアニメがもっとおもしろくなるかも

自分はセカイ系アニメが好きだ、と思っていました。でも、じゃあセカイ系って何かと聞かれたら「まぁ、主人公が世界を変えちゃう系？」くらいしか答えられないし強ち間違ってないかなと。

なので、本書でセカイ系の細かな定義がきちんとあることを知り驚きました。しかもその定義が実はかなり細かい。狭い。少年少女の恋愛が世界に関係していて、それで少女のみが戦って少年は闘わないらしい。マジか…。だったら私がセカイ系だと思っていた大好きな『魔法少女まどかマギカ』はセカイ系とは呼べないんじゃ？ 少年なんて出てこないし…というか多分、年代的にももはやセカイではないのかもしれない。うーん、難しい。そんな細かな定義を踏まえながらセカイ系とは一体何なのかが本書ではとてもわかりやすく説明、分析されてます。

『エヴァンゲリオン』以降のそういったアニメをセカイ系と呼ぶらしく、エヴァについての社会的考察や文献の引用もたくさんあり、エヴァファンにもとても楽しめる1冊になってます。引用の中で、岡田斗司夫がオタクに必要なのは動体視力であり、なぜならあのエヴァの早いオープニングや予告を読み取る必要があるからだと言っててウケたんですが、物凄く納得してしまいました。私の友達のアニオタの画面の分析力が半端ないので。笑　エヴァ以降のオタク史が丁寧にまとめられてありますが、そちらも興味深かったです。

エヴァ以外にもたくさんのアニメからの考察、ネタバレがあるので少し注意して下さい。アニオタの方には必読な1冊です。アニメって奥が深すぎる。